Archive for September, 2011

【追悼】ザンデルリンク (9) ブラームス"交響曲第1番" 1971

ザンデルリング、追悼特集。 真打登場。(笑) ブラームス、交響曲第1番です。 ザンデルリンクといえばブラームスなわけですから、本当でしたらもっと早く登場しなければいけませんね。 実は当初1973年の日本公演の時の演奏をご紹介するつもりだったんです。この時のブラームスの演奏はこれまでとてもよい印象を持っていましたから。 ところが、今聴くとどうもイマイチピンとこないんです。いや、そんなことないと何回も聴きましたが、やっぱり今ひとつ、納得いかない。この時のブラームスは世間では名演として語られているのに、です。 この演奏なら、後のベルリン響との演奏の方が説得力があります。 じゃあ、何処がおかしいのか。 ザンデルリンクは演奏する上で微妙なテンポ変化や音の強弱を緻密に計算していきますが、それが全体的に弱いんです。 ご存知の通りザンデルリンクは音楽を劇的に表現したりするようなサービス精神は持ち合わせていません。 イン・テンポの中でじっくり旋律を歌いリズムを刻む過程で、音符が持っている生命力を呼び覚ませ、自ら歩き出させようとする演奏ですから、この微妙なテンポ変化や音の強弱が曖昧になると、途端にべたっとした、つまらない演奏になってしまいます。 この時のブラームスはその一歩手前に感じたんですね。 で、結局定番どおり、ドレスデンかベルリン響か、と言うことになるわけですが・・ 不覚にもベルリン響との全集は持ち合わせていなかったので、NAXOSミュージックライブラリーで聴きまして(済みません・・)、ドレスデンの全集は持っていたはずですが見当たらず、仕方なく1番のみ購入して聴き比べた次第です。 ベルリン響との演奏は、なるほどこういうブラームスもあるのかと感心しましたが、でもザンデルリンクってやっぱりこっちの方かな・・という感じでドレスデンとの演奏をアップすることにしました。 お聴きください。 【ブラームス/交響曲第1番ハ短調作品68】 クルト・ザンデルリング指揮 シュターツカペレ・ドレスデン 1971年、ドレスデン、ルカ教会 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 第1楽章 Un poco sostenuto – Allegro 第2楽章 Andante sostenuto(#14:40~) 第3楽章 Un poco allegretto e grazioso(#24:43~) 第4楽章 […]

Tuesday, September 27th, 2011 

【追悼】ザンデルリング(8) 1973 日本公演 Vol.2

ザンデルリング、追悼特集。 1973の日本公演 Vol.2は、 チャイコフスキーの交響曲第4番です。 これは10月31日、東京文化会館で行われた演奏です。 会場が、厚生年金会館から東京文化会館に変わりましたので、オケの響きの違いを聴き比べるのも面白いかも知れませんね。 前回Vol.1で、「これまでの固定概念をいったん白紙にし、まっさらな気持ちで」お聴きいただくようお話しましたが、今回も同じです。 お聴きください。 【チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調作品36】 クルト・ザンデルリング指揮 シュターツカペレ・ドレスデン 1973年10月31日、東京文化会館 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 第1楽章Andante sostenuto – Moderato con anima 第2楽章Andantino in modo di canzona – Piu mosso(#19:55~) 第3楽章Scherzo: Pizzicato ostinato. Allegro – Meno mosso(#29:59~) 第4楽章Finale: Allegro con […]

Monday, September 26th, 2011 

【追悼】ザンデルリンク(7) 1973 日本公演 Vol.1

ザンデルリンク(正式?にはザンデルリング)、追悼特集。 本日は、1973年に来日したときのライブ録音をお聴きいただきます。 この時の演奏は、FM東京の「TDKオリジナルコンサート」という番組で紹介されまして、そのときの音源がCDとなって3枚シリーズで発売されましたが、その中から3曲ほどお聴きいただこうかと思います。 まずは、 ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第1幕への前奏曲と、 ベートーヴェンの交響曲第8番です。 2曲とも非常に伸びやかな演奏で、特に「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、音符の一音一音に生命力があり、力ずくでない推進力を伴ったフレーズが途切れることなく、とかく内省的になりがちなワーグナーが最後まで開放的に、かといって明るすぎず、生き生きと演奏され、素晴らしいです。 このことはベートーヴェンにもそのまま当てはまります。 2曲ともこれまでの固定概念をいったん白紙にし、まっさらな気持ちで、お聴きください。 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー~第1幕への前奏曲】 クルト・ザンデルリング指揮 シュターツカペレ・ドレスデン 1973年10月18日、厚生年金会館、東京 【ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調op.93】 クルト・ザンデルリング指揮 シュターツカペレ・ドレスデン 1973年10月18日、厚生年金会館、東京 第1楽章 Allegro vivace e con brio 第2楽章 Allegretto scherzando(#9:47~) 第3楽章 Tempo di Menuetto(#14:12~) 第4楽章 Allegro vivace(#19:40~) この演奏の録音を担当したのは、当時FM東京の「TDKオリジナルコンサート」のディレクターを務めていました、「STEREO SOUND」誌でお馴染みの東条碩夫氏です。 ライナーによりますと、当日、オケはリハーサルで、マイスタージンガーの冒頭十数小節をやっただけで切り上げてしまったため、マイクバランステスト等ほとんどなしに本番を迎えられたようです。 […]

Sunday, September 25th, 2011