Archive for December, 2011

矢代秋雄 "交響曲"

はい、答えは「矢代秋雄」でした。   ↑その作風とは異なり、なんとのどかなお顔立ち・・ 矢代秋雄は、1929年生まれで、昨日お聴きいただいた武満徹(1930年生まれ)とほぼ同い年なんですね。正直、こういうブログを書いたりしないと、作曲家の年齢なんてあまり気にしませんからね。勉強になります。 矢代は、東京藝術大学研究科を卒業した後、昨日ちょっとお話しましたとおりパリ国立高等音楽院に留学しています。彼はかなり優秀だったらしく、そこで和声法でトップの成績を上げるなどして、優秀な成績で卒業しています。それと、完璧主義、寡作主義と、言われているそうで、この辺は私の尊敬するラヴェル先生もそうですから、非常に好感が持てますね。笑 ただ、弟子の一人に池辺晋一郎がいるそうで、これまた師匠とは大分違って多作の作曲家ですね。 「交響曲」は、1956年に設立したばかりの日本フィルハーモニー管弦楽団の日本人作曲家への委嘱シリーズの第1作として発表された曲で、矢代にとっても同じ1956年に帰国した後の第1作目として自身を世に問うた力作です。 作曲は、1958年の1月末から5月半ばにかけて行われており、彼としてはかなりのハイスピードと言えます。 これについて、初演時のプログラムに、「遅筆の僕としては大変な強行軍だったが、ここ数年来、交響曲を書く心の準備が十分出来ているような気がしていたので、敢えて強行軍した」と語っています。 これからも、彼がこの曲にどれほどの思い入れがあったかが分かりますね。 【矢代秋雄 /交響曲】 佐藤功太郎指揮 東京都交響楽団 1992年1月25日、都響日本の作曲家シリーズⅡ 矢代秋雄作品集より リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【収録曲】 1 第1楽章 Prelude:Adagio-Moderato 2 第2楽章 Scherzo:Vivace 3 第3楽章 Lento 4 第4楽章 Adagio-Allegro energico やはり、「優秀だったんだなあ」という感じの曲ですよね。なんかこう・・隙が無く、よく出来てるって感じで、それでいて、ただ譜面づらがよくかけてるだけでなく、曲全体に確固とした世界観があり、音符一つ一つが無駄になっていなくて、その世界観の構築に貢献しているというか・・ 私個人的には、ヒンデミットの交響曲「画家マティス」を思い出しましたけど。 こうして聴いて見ますと、ほぼ同い年なのに、武満徹と矢代秋雄は随分と作風が違っていて面白いです。その経歴も対照的ですしね。どっちがどう、良い悪い、ということは無いです。タイプとしては、作曲コンクールで優勝するのは矢代秋雄で、審査員特別賞が武満徹ってところかな。笑 演奏は、このほかに色々出ていまして、ニコニコ動画でのこの動画へのツイッターにナクソスから出ている「湯浅・アルスター管で十分」なんてありましたが、私が聴いた感じでは、あちらは音楽が軽く、オケの響きも明るいため、洗練された感じの演奏としては評価できるものの、この曲の重厚さが全く表現されていないため、雰囲気か無く、こっちの方が良い演奏です。 湯浅・アルスター管盤は、今回聴いた佐藤功太郎・都響コンビより、矢代秋雄、そしてこの曲への共感があまり感じられない演奏です。 オケの気迫が違います。 この辺は、好みの違い、で片付けたくないです。そうしないと音楽なんて何でもありになってしまいますからね。 大事なことです。 […]

Saturday, December 31st, 2011 

武満徹 "ノヴェンバー・ステップス" 小沢&トロント響 1967年

今年もあと2日。 今年の締めに何を聴くか。 クリスマスの時期は、洋物クラシックでよいですが、25日を過ぎた辺りから年末は、日本ではやはり邦物クラシックが似合います。 ・・・ 第九は別としてね。 で、わが国の作曲家と言えば、武満徹。 氏の音楽が年末のこのくそ忙しい時にふさわしいかどうかは考えないことにして(笑)、氏の代表曲の一つ、「ノヴェンバー・ステップス」を聴きます。 私は、氏の音楽は、次第にワンパターンに感じられてしまって、結局あまり聴いていませんが、例えばノヴェンバー・ステップスやグリーン、地平線のドーリア辺りの比較的初期の作品は好きなほうです。 ノヴェンバー・ステップスは、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の 創立125周年記念演奏会のために委嘱されたもので、尺八と琵琶とオーケストラによる一種の二重協奏曲の形をしています。 初演は1967年11月9日。今日聴く録音は、1967年12月8日ですから、初演の興奮冷めやらぬ中での、オケ以外ではオリジナルメンバーでの演奏で、そのためか、後のフィリップスの録音よりは、こちらの方が人気があるようです。 【武満徹/ノヴェンバー・ステップス】 尺八:横山勝也 琵琶:鶴田錦史 小澤征爾指揮 トロント交響楽団 1967年、トロント、マッシーホール   リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 久しぶりの”タケミツトーン”いいですね~。 万華鏡のように響きが変化していくこの色彩感は、他のどの作曲家にもまねの出来ないものです。 ラヴェルは私的にはハーモニーに温度を感じることがあるんですが、武満は色です。 オケのトゥッティなんか、たくさんの色彩で出来ていますが、それが水彩画のように混ざり合っていないで、一つ一つがちゃんと生きていて、でも全体としての響きが独特な色彩を放っている。 いや~、さすがですね・・ でも、音楽的には、ワンパターンに陥っていくわけで、なかなか上手くいかないものです・・ 年内、もう一人、日本人作曲家を聴きます。 パリ留学経験のある1929年生まれの人です。 さて、誰でしょう・・ ★PC音源はメインシステムで聴きましょう。 ★ランキングにご協力いただけると嬉しいです。 にほんブログ村 ★ジャズも宜しくお願いします。La gutsy jazz

Friday, December 30th, 2011 

浅田真央選手に思いを寄せて・・ "愛の夢"  フジ子・ヘミング ’88 ドイツSWR録音

愛の夢。 浅田真央選手に思いを寄せて・・ 【リスト/愛の夢 第3番 変イ長調 S.541-3】 フジ子・ヘミング(P) 1988年ドイツSWR放送局 真央さん、ありがとう。 そして大会出場の選手の皆さん、ありがとうございました。 良い大会でした。 ※フィギュアスケートに関しては、MURMUR 別館さんが大変素晴らしいです。 掲載の写真はこちらから拝借させていただきました。 ★PC音源はメインシステムで聴きましょう。 ★ランキングにご協力いただけると嬉しいです。 にほんブログ村 ★ジャズも宜しくお願いします。La gutsy jazz

Tuesday, December 27th, 2011