【追悼】ザンデルリンク (9) ブラームス"交響曲第1番" 1971
ザンデルリング、追悼特集。
真打登場。(笑)
ブラームス、交響曲第1番です。
ザンデルリンクといえばブラームスなわけですから、本当でしたらもっと早く登場しなければいけませんね。
実は当初1973年の日本公演の時の演奏をご紹介するつもりだったんです。この時のブラームスの演奏はこれまでとてもよい印象を持っていましたから。
ところが、今聴くとどうもイマイチピンとこないんです。いや、そんなことないと何回も聴きましたが、やっぱり今ひとつ、納得いかない。この時のブラームスは世間では名演として語られているのに、です。
この演奏なら、後のベルリン響との演奏の方が説得力があります。
じゃあ、何処がおかしいのか。
ザンデルリンクは演奏する上で微妙なテンポ変化や音の強弱を緻密に計算していきますが、それが全体的に弱いんです。
ご存知の通りザンデルリンクは音楽を劇的に表現したりするようなサービス精神は持ち合わせていません。
イン・テンポの中でじっくり旋律を歌いリズムを刻む過程で、音符が持っている生命力を呼び覚ませ、自ら歩き出させようとする演奏ですから、この微妙なテンポ変化や音の強弱が曖昧になると、途端にべたっとした、つまらない演奏になってしまいます。
この時のブラームスはその一歩手前に感じたんですね。
で、結局定番どおり、ドレスデンかベルリン響か、と言うことになるわけですが・・
不覚にもベルリン響との全集は持ち合わせていなかったので、NAXOSミュージックライブラリーで聴きまして(済みません・・)、ドレスデンの全集は持っていたはずですが見当たらず、仕方なく1番のみ購入して聴き比べた次第です。
ベルリン響との演奏は、なるほどこういうブラームスもあるのかと感心しましたが、でもザンデルリンクってやっぱりこっちの方かな・・という感じでドレスデンとの演奏をアップすることにしました。
お聴きください。
【ブラームス/交響曲第1番ハ短調作品68】
クルト・ザンデルリング指揮
シュターツカペレ・ドレスデン
1971年、ドレスデン、ルカ教会
リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85
リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor
PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz
AVI作成ソフト:AVIMAKER
FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder
音声はMP3
第1楽章 Un poco sostenuto – Allegro
第2楽章 Andante sostenuto(#14:40~)
第3楽章 Un poco allegretto e grazioso(#24:43~)
第4楽章 Adagio – Allegro non troppo,ma con brio(#29:51~)
圧倒的でした・・
完璧でしたね。
ただ、私的には録音がいただけません。
奥行きがなく、ヴァイオリンがオン過ぎますし、木管が近すぎます。
取って付けたような残響。
マルチマイクの悪い例のような録音。
音も何か加工されたような感じで、妙なむくみを感じます。
まあ、もしかしたら、意図してああいう音にしたのかもしれませんね。
面白く、オーディオ的にも楽しんでもらうために。
わたしとしては演奏が完璧なだけに残念に思いました。
ただ、聴いていただいた音は、リッピング時に色々調整やら対策をしましたので、上記のような不満はあまり感じなくなっているかと思います。
いずれにしても、大名盤であることに変わりありませんけどね。
PC音源は、メインシステムで聴きましょう。
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