今更聞けない… デジタルアンプって何? PCM⇒PWM 編
いやー大分ご無沙汰してしまいました。
なかなか筆が進まず、困っていました。どうも曖昧な部分が多くて… と言うより、私の理解力たらぬのですが…
引き続き、デジタルアンプについて考えますが…
これまでのものは
「今更聞けない… デジタルアンプって何? CD復習編(1)」
「今更聞けない… デジタルアンプって何? CD復習編(2)」
これまでデジタルアンプと言うと、デジタル信号を増幅させていると思っていました。そう、0、1データを何らかの技術で大きくしていると… ある意味、データを書き換えなければ、データ上で結果としてエネルギーを増幅させる効果を生むことはできないような気がしてました。0、1データと言うのは前回まで見てきたあの0、1 です。PCM信号ですね。”デジタルアンプ”ですからね~ 普通そう思います、誰だって.. でも、こう書いているからには、そうじゃない…
“デジタル”アンプなのにデジタルじゃないってことか、って感じですが、私の中では、デジタルはデジタルでも、違うもの、と理解しました。
私がデジタルアンプと聞いて想像したデジタルとは、CDに入っているPCM信号、つまり『パルス符号変調(pulse code modulation)』の過程で得られたデータ、「刻々と変化するアナログ波形を1秒間に44100回と言う速さで、その瞬間の音圧を0~65535の65536段階で表した0、1データ(16bit、44.1KHz)」のことですが、デジタルアンプで扱われる”デジタル”とは、PWM『パルス幅変調(pulse width modulation)』により作られたパルス信号のことです。で、パルスは何かってことになりますが、 Wikipediaによりますと、
「パルス(Pulse)は、短時間に急峻な変化をする信号の総称」
とあります。
早い話、これです。↑
ちなみにアナログ波形は、↓ですね。
つまり、
「電子回路の分野では一定の幅を持った矩形波(くけいは/Square wave)のことをパルスといい、クロック信号や同期信号に使われる。」とのことですが… じゃあ、矩形波って何?(笑)
「矩形波とは非正弦波形の基本的な一種であり、電子工学や信号処理の分野で広く使われている。矩形波はデジタルスイッチング回路で広く使われており、2進法(2レベル)の論理回路から生成される。厳密に定められた間隔で同期論理回路を動作させるためには矩形波の高速な遷移が適しているので、タイミングの基準や「クロック信号」に使用されている。」
です…
全て、 Wikipediaからのコピペですが、何となく分かりますかね。笑
この波形は、動力を制御する時に使われることが多く、波形が凸の時に電力ON、凹の時電力OFFとしなさいと指示する信号で、凸の時(ON)の状態の割合により出力する電力を制御すると言うもの。・・・まあ、素人レベルではこのくらいの理解でお許しください。
で、私の場合ここで??でして、何でアナログ波形が今度は凹凸になるの?それってどういうこと?です。笑 と考えるとそもそも波形って何?と言う話になるわけです。そうすると今まで気にしていなかった「変調」というのも知らないといけないわけで…
色々調べますと、と言いますか多分これ昔々学校で習ったのかもしれませんが、電波、信号を送るには、送りたい信号そのものだけでは無理で、何か入れ物に入れないと運べないようでして、その入れ物が搬送波(キャリア)と言うもので、デジタルアンプの場合三角波が多いのかな、よく解らないですが、その信号に送りたい信号を合わせると、上の図のような矩形波になって信号を送ることができるようで、つまり、変調とは、信号を送信する際に、送信するのに最適な電気信号に変換することです。
こういうイメージです。↓
デジタルアンプのスペックのうち、デジタルパルス500Khzとか書いてあるのはこの搬送波(キャリア)の周波数のことかと思います。CDが扱っているのは44.1Khzですから、500Khzというとかなりの高周波に乗っけられて送られていると言うことですね。
このように、入力したアナログ波形とアンプ内部の発振回路で発生させたパルス信号(三角波)、大体500Khzくらいのようですが.. を合わせることにより、上の図の一番下の矩形波となって信号が流れて行くわけです。このように、変調をパルスの変化によって行うのが「パルス変調」と言いますが、何となくパルス変調により、入力信号が変調するようなイメージなんですが、正確には、このキャリアを変化させることを変調と言うようです。ですから、最終的に出てくるパルスの周波数は、ここで言えば500Khzと言うことです。
で、見ていただくと解りますが、矩形波、今後パルスと言いますが、このパルスの高さは一緒ですが、幅がその時々によって違っていますよね。これは上のアナログ波形と対比してみるとわかりますが、アナログ波形の振幅が上昇するとパルスの高さは変わりませんが、その分幅が広がっています。そして、アナログ波形の振幅が下降するとパルスの幅は狭くなっています。図はこれまでと同じように横軸は時間ですので、これは、アナログのエネルギー量の変化をパルスが出力されている時間で表しているということです。
このように、パルス信号を出力しておく時間(パルス幅)を長くしたり、短くしたりして、電流や電圧を制御する方式を、先に出てきました、PWM『パルス幅変調(pulse width modulation)』と言うわけです。
つまりこういうことです。↓
面積で考えるとわかりますね。例えば1秒間に10Vのエネルギー量があった場合、時間×エネルギー量ですから、PCMは1秒×10Vと考えますが、PWMは1V×10秒・・・
……と、実はここまで結構前に書いてあったんですが、ここらあたりの私が確認した解釈とは違う記述もありまして、ここで止まってしまったんです。当初、上の記述の通り、アナログ波形で表されているエネルギーの変化量、例えば1秒間に9.9Vと言う値を、PCMは粗いけれども何とか近似値を求めつつ1秒間に10Vとして把握しますが、PWMはその近似値を1Vを9.9秒間流すことで把握していると思っていましたが、よくよく考えて見ますと話はそう単純ではないようです。
これは上の【グラフ3】パルス幅変調の説明になると思いますが、ね、単純な話ではないでしょ?(笑) まあ、上の【グラフ3】も同じことが書いてはあるんですが、文で説明してもらうと気づくこともあるわけでして…
上の説明と図を見ると、つまり、入力信号(アナログ信号)よりキャリア波である三角波(上の図では鋸波)の値が高ければパルス波はOFFになり、逆で入力信号の値の方が高ければONになる。これが繰り返されるわけですが、キャリア波の形状と入力信号の値の変化によってON、OFFが継続され、且つその継続時間が変化し、それによってパレス波の時間幅が変化しているのが分かります。
私はここで???です。結局この解釈でいくと、PWMによって生成されたパルス波は、入力されたアナログ信号の何を表しているのか?PCMでは少なくとも雑ではあるけれどアナログ波形を細かく切断した瞬間のエネルギーを16桁の0、1数字に置き換えて波形を再現しようとしましたよね…
分かりましたでしょうか?これがPWM、デジタルアンプ内で行われている信号処理の第1段階です。ただここで説明したのはアナログ信号をPWMでパルスに変えるもので、実際デジタルアンプには色々あるようで、デジタル入力をDA変換してアナログからPWMするもの、安いのはこういうタイプが多いとか。フルデジタルアンプ、と言われているものはデジタル入力でデジタル信号CD聴くのであればPCM信号をPWM信号に変換してるようです。
で、私は果たして何が言いたいんだ………??
正直、長い間ブログを更新できなかったのは、ここで止まってしまったからなんすが、それは多分私がSACDの話が念頭にあるからなんだと思います。ご承知かと思いますが、SACDはDSD方式で録音されていますが、この偉そうなDSD((Direct Stream Digital)とはPDM、パルス密度変調という方式で録音されたものをいうわけで、何もSACDのために新しく開発されたものではないことはご存知かと思います。またパルス….笑 と言うことは上のON-OFFの単純な波形にしてしまうと言うことで、PWMとの違いは文字通り、アナログの変化量をパルスの幅を変えるのではなく、今度はパルスの数の増減で表そうと言うものです。基本は同じと思っています。ON-OFFの、1か0の単純なあの波形だから、1bitと言うだけの話。
ただ、ここはその話ではなく、アナログアンプとデジタルアンプの話ですからね。PCMとの違いをことさら追及する必要はなかったわけです。
私なりのここまででの結論は、CDに収録されているPCM信号は、その横軸、標本数は少ないかもしれないが、波形の縦軸、アナログの持つ瞬間のエネルギー量を再現しようとしていました。しかし、それをPWMでパルス信号という複数の小さなエネルギーの持続に変えてしまった時点で、アナログ信号の持っていた縦軸の爆発的なあのエネルギーの再生は不可能になった、と言うことです。(まあ、PCMが本当に完全に瞬間なのかは、ちょっと曖昧な部分が多いらしく、幅があるらしいのですが…)
つまり、標本化したアナログの瞬間のエネルギーを、PCMは16桁もの数値で一発で記録しましたが、PWMはその瞬間の数値を更に細かく刻んでみじん切りにしてしまった、と言うことです。同じ100g肉でもミンチとステーキ用の塊。同じ100g肉ですが同じですか?この例ならよく解ると思います。ミンチはいろいろな成形が可能で扱いやすく便利で(1bit)、そしてそのためにある肉と言ってもいいですが、肉本来の上手さを味わうんだったら普通はステーキ、塊(16bit)ですよね。ミンチと違って焼くの難しいけど、旨い。肉食べたぁ~って満足感がありますよね。
ここで既にSACDの私なりの結論も書いてしまった感じですね…
ただ、PWMは、PCMの1データでさえも細かくするのですから、サンプリング周波数は高いはずです。ひき肉は扱い安いからね。そしてこれが、デジタルアンプが高性能と言われている??要因の1つでしょう。SACDも。
デジタルアンプでは、こうしてアナログ信号、或いはPCM信号をPWMによってパルスに変えた後、増幅回路に入っていきます。この時点で、アナログアンプは連続した音声波形のままで、デジタルアンプは、ピコピコ言うかわかりませんが(笑)、文字通りの凹凸波形。別に悪口言うわけでありませんが、製造業などで使われるモーター制御信号もPWM信号。だから音良くないなどと言うことはないですが、この時点では信号としては同じでしょうね。勿論オーディオに使うのでより綺麗な波形ではあるんでしょうが。どうなんでしょうね。
で、この増幅部がアンプ部分と言ってもいいでしょうが、デジタルアンプはここがご存知『D級アンプ』だと言うことです。スイッチングアンプになっている。まあ、信号がスイッティング信号ですから、当たり前と言えば当たり前。
今回はこのくらいで。
例のごとく、出典等省略いたしますが、使用させていただいた方々、有難うございます。
また、無知な素人が書いたものですので、おかしな点等ございましたら温かなお心で、ご指摘いただけると大変嬉しいです。
また次回。
>基本は同じと思っています
そのとおりかとww。