Archive for October, 2013

ありがとう!スルツカヤ….『Wonderland』 Best performance for her life !!

イリーナ・スルツカヤ 私は彼女のことを思うと胸が熱くなります。 もうこういうフィギュアスケーターは出てこないのかもしれませんね。 伸びやかでテクニックをテクニックとして感じさせない驚異のテクニックを持ったフィギュアスケーター。 繊細さには欠けるかも知れませんが、当時のフィギュア王国を支えていた一人としてロシアに残り常勝を求められるプレッシャーを常に背負っていた彼女の滑りはいつも精一杯でした。   競技生活と母の看病をする彼女も、自己免疫疾患や気管支炎を患い、一時期は歩くこともできず、「ストレスで毎日泣いていた」そうです。   そんな彼女が1年以上のブランクから復帰したのが2004-2005シーズン。 このシーズンで彼女は完璧に復活を果たし、ISUグランプリシリーズ中国杯、ロシア杯、グランプリファイナル、2005年ヨーロッパ選手権、2005年世界選手権全てで優勝しました。   今回はその中で多分ベストパフォーマンスである2005年世界選手権のフリーを見ましょう。 ロシアで行われたこの大会で、自由に伸び伸びと滑る彼女は本当に嬉しそうでした。 後半に使われたマキシムの「Wonderland」もとてもよい曲で印象的でした。   彼女にぴったりの曲でした。   クラシックの曲が多くなる中でロシア特に彼女の選曲はいつも違っていて、何かローカルなロシアンポップという感じの曲が多かったように思うのですが、このプログラムで、「あぁ、こういうのもいいなあ」と思ったものです。 それからですよね、国内のフィギュア関係の放送でテーマ曲のようにこの「Wonderland」が使われるようになったのは。   Irina_Slutskaya_Worlds_FS_2005   で、原曲聞いてみましょう。     マキシム/ザ・ピアノ・プレイヤー マキシム (ピアノ、キーボード)       トリノは彼女に金を採らせてあげたかった…   ありがとう、イーラ。        

Thursday, October 31st, 2013 

愛しのサーシャ… 『マラゲーニャ』

私は勿論浅田真央選手を応援していますが、実は「ファン」とはちょっと違うかもしれません。「ファン」とはもう無条件に好き。その人のことなら何でも許しちゃう。それがファンなのではないでしょうか。 そんな、私にとってのファンといえば、サーシャ・コーエンです。 私にとっては彼女の滑りはフィギュア・スケートとして完璧です。 フュギュア・スケートは文字通りフィギュアが大事で、曲に合わせ演技をするわけですからダンス、バレエの技術が本当は必要なんです。しかも当たり前ですがスケートというスポーツ競技ですからスケーティングテクニックも半端なく大変です。ジャンプして回転もしなくてはならない。で、その出来も問われる。フィギュアスケートってホント大変なんですよね。 でも、それを全て高い次元で成し遂げているのが彼女です。 ジャンプだってフリーではいつも失敗しますが、基本的にきれいで素直なジャンプをします。バレエをやっていましたから、柔軟性は文句のつけようがありませんし音楽を理解した表現も完璧です。彼女のバレエジャンプ以上のジャンプをした人はいませんね。 そんな彼女のすべりで一番、スゲェ!と思ったのが2004年のワールド・ショートのマラゲーニャです。曲と一体となった滑り。これがフィギュアスケートか、と思わされた演技です。   現代のプログラムのレベルからするとそれほど難しいことはやっていないのかもしれませんが、何しろその中でも演技は完璧、曲と演技の一体感。凄いです。   で、『ガラスの女王』、『シルバーコレクター』なんて言われてしまうのが良く分かるおなじ2004ワールドのフリー。 もう彼女、見るからに緊張してます。笑 振りも何かジャンプに気がいっているようで、動きがちょっと鈍いかな。 そんなに悪い演技ではないですが、如何せんショートとのギャップがありすぎ。   で、これが↓、同じ年の別の大会のフリーの演技。 なんか別人のようにのびのびやってますね。 彼女だってこういう演技、フリーでも出来るんです。笑 https://youtu.be/ouNL5ux17c4   折角なので、マラゲーニャの原曲を聞きましょう。 これはエルネスト・レクオーナという人の作曲で、スタンリーブラック楽団の演奏です。多分編曲もスタンリーブラックかと思います。       エルネスト・レクオーナ/マラゲーニャ スタンリーブラック楽団       是非彼女のショートだけを続けて見てみてください。 もう彼女完璧ですから。          

Monday, October 28th, 2013 

浅田真央、最後の年の始まりに… ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とショパンのノクターン第2番を聴く

フィギュアスケート選手の浅田真央選手が今シーズン限りで引退するとのこと。     あぁ… ですね。 寂しい、この一言に尽きます。 今ちょうどラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、第2楽章、美しいアダージョ・ソステヌートを聞きながら書いてますので、その思いもひとしお…笑   彼女に関しては以前にもちょっと触れましたが、私はフィギュアスケートに関してはそれほどコアなファンではありませんで、浅田真央選手を意識して応援しだしたのもバンクーバー・オリンピックの2年前くらいからと思います。ちょうど彼女が理不尽なジャッジと直向に戦っていた頃と思います。それ以前の彼女に関してはどちらかというと好きではありませんでした。基本的に私は、天才少女とか、そういう子供がうまくやってのけて凄いというものには全く関心がありません。音楽も。ですから、曲に合わせ表現するスポーツであるフィギュアスケートにあって、彼女が氷上で上手く回転しようが演技や所作が稚拙だと全く評価しませんでした。 でも、彼女バンクーバーに近づくにつれ少しずつ変わってきたんですね。 彼女の滑りに意志を感じるようになった。 そこからです、彼女を応援したいという気持ちが沸いたのは。   その彼女の競技用としては最後のプログラム。 フリーはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番から第1楽章です。 振り付けはタラソワ。 力強くも女性らしい可憐さと劇場的な派手さも併せ持った素晴らしい振り付け。それを浅田真央が演じることがどれほど必然であるかは、「鐘」で証明されましたね。 折角ですから、全曲聴きましょう。 ちょっとロシア的ではないんですが、ちょうどステップに当たるの箇所がテンポ的にあってるかな。演技スピードと合わせなければならないので、選曲とともに盤選びも大変と思いました。     ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18 ジャン=フィリップ・コラール(ピアノ) ミシェル・プラッソン(指揮) トゥールーズ・キャピトル管弦楽団 1977年6月 MP3, Ripped in 16bit-44.1KHz, Convert to 320kbit/s-44.1KHz   出だしの振り付けの感じ、「鐘」に似てましたね。 素晴らしい曲です。     ショートはショパンのノクターン第2番。 この曲は2回目。改めてその頃の演技を見ましたら、まあなんとも軽やかに苦も無くひょいひょいと飛んでます。今見るとあれはあれでよい演技だなと思った次第。   こういう曲はフレーズの息が長く、ゆったりと呼吸してますので、振りもその呼吸を感じることが必要でしょう。そのためには、演技にしなやかさが欠かせませんが、常に滑り続ける中でこの「しなやかさ」を保ち且つコントロールするためには、それを支える強靭な肉体と揺ぎ無いテクニックが必要なのは言うまでもありませんね。 それを併せ持ったスケーターが彼女なんです。   ショパン/ノクターン第2番変ホ長調op.9-2 フジ子・ヘミング (pf) WAV, Ripped in 16bit-44.1KHz MP3, Ripped in 16bit-44.1KHz, […]

Sunday, October 27th, 2013