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また元気に、それまで・・・ 小澤&サイトウ・キネン 《ブラームス 交響曲第1番》 1990

大分前の話で恐縮ですが、3月7日に小澤征爾氏が来年2月末まで指揮を予定していた国内外の公演を全て降板し、体力回復のために1年間の休養をとると発表しましたね。 ご存知の通り、2010年に食道がんの治療をして以来、その後も腰痛や肺炎などで体調不良が続いていたそうで、ここ数年は公演のキャンセル続きでサイトウキネンでも相当苦しい中で指揮をされていたこととお察しします。 ただ、個人的には私は彼の音楽はあまり良いと思ったことはありません。嫌いではありません。その音楽だけ聴いていればこれでいいんじゃない?って感じますし、悪い演奏ではないです。ただ他の指揮者と比べるとどうしてもその毒のなさが耳についてしまって、ダメです・・ ヘタクソ、ベルリンフィルの記事でも書きましたが、恐らく彼は指揮者、音楽監督という職業、ポストを楽団当局、オケメンバーと良好な関係を持ってまっとうできる才能が認められて、今の地位にあると私は思っています。勿論彼はブザンソン国際指揮者コンクールで優勝していますし、現在でもそのバトンテクニックの上手さには定評がありますし、演奏も評価されています。ただ、ウィーンフィルの音楽監督するほどの音楽とも思えないし、やはり、その人柄、社交性、そこから来る楽員からの信頼、日本のメディアの効果等々、色々要因はあると思います。 話し変わりますが、ブザンソンといえば2011年大会で日本人が優勝しましたね。それについては何もないですが笑、まあ、コンクールって、指揮テクニックや間違い探しとかあまり音楽性とは直接は関係ないところでの点数が高い人が評価されがちですが、例えばブルックナーなんかたくさんの版があって、仕舞には指揮者が勝手に音符を書き換えるようなことが公然と行われる中で、何が間違い探しでしょう。笑 フルートの一音が半音下がっていたとしても、それを持ってその演奏が否定されるなんてことは、プロの現場ではありませんね。 それとこれは持論ですが、絶対音感、これがある人をさも才能ある音楽家、演奏家のごとく高く評価する傾向がありますが、私に言わせればあれは音楽家としては病気と言えるもので、障害となるべきものですね。だって、音って同じ音でも違った和音になれば違った意味を持ちます。同じソでも、ファから上がってきた場合と下のドから上がってきた場合では違った感じに聴こえます。それと逆でラから下がってきた場合ともっと上のドから下がってきた場合とではこれもまた違って聴こえるものです。そういうふうに音は例え一音でも無限の可能性がありますし、人間はそれを聴くことが出来ますし、そうやって音楽は出来ています。しかし、絶対音感はソならソとしか聴こえない。いえ、個人差はあるでしょう。そういう風にも聴くことが出来るという人もいるでしょう。でも強い絶対音感の持ち主は、音程がほんの少し狂った楽器でも気持ち悪くて演奏できないそうです。 一つのフレーズからたくさんの景色が見えてくる、イメージが無限に広がっていくような感覚を味わえる演奏って素晴らしいと思いますが、果たして、相対的に音を捉えにくいだろう絶対音感の人にこういった演奏が出来るのか、どうか・・ コンクールの間違い探しで、「なんか変だなと思ったけど、これも良いかなあと思ったんで・・」とか「探していたんですけど、あのフレーズもう少しこうしたいな、って気になってしまって、間違いは全然わかんなかったです・・」なんてと言う指揮者のほうが私にはよほど音楽家として将来を期待したいですけどね。笑 話戻しますが、小澤は、もう一線からは退いたほうが良いと思います。 ダラダラといつまでも慢心創痍の身を世間さらし、自らは喝采を浴び、一方ではキャンセルを繰り返し観客を裏切る。彼のやっていることは、そういうことです。プロとしてはやってはいけないことです。 話に聞くと、松本では小澤の活動は批判されているそうです。地元でチケットを買おうとしても東京で捌かれていて地元にはあまり回ってこないらしいです。詳しくは分からないですが・・ 一般ジャーナリズムが言うほどには我々日本の音楽ファンの間では小澤の評価は高くないです。それはレコード演奏がつまらないからですね。ヨーロッパでも例えばオペラの評価は低いです。だから、と言うことではないですが、元気なうちに、もっと後進の指導に専念すべきです。今夏の「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」は、総監督として参加するそうですが、もう、そういうポストに就いて口を出したりしないで、一切のポストから身を引き、何か違った形で音楽家を育てることに没頭して欲しいものです。が、まあ、彼はそういうタイプじゃないでしょうけどね。笑   ↑CDライナーより 今日聴く演奏は、1987年からの一連のヨーロッパツアーのうち、1990年ザルツブルク音楽祭に出演した直後に旧東ベルリンで録音されたもの。まだ、音楽祭の熱気が覚めやらぬといった感じの、気合いの入った演奏です。 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3   【ブラームス/交響曲第1番ハ短調 作品68】 小澤征爾指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ 1990年、8月、旧東ベルリン、シャウシュピールハウス 【収録】 1.第1楽章 Un poco sostenuto-Allegro 2.第2楽章 Andante sostenuto 3.第3楽章 Un poco allegretto e grazioso 4.第4楽章 Adagio-Piu andante-Allegro non troppo      […]

Tuesday, March 27th, 2012