Archive for the 'カーゾン' Category

嫌いな指揮者ジョージ・セルのブラームス/ピアノ協奏曲1番

DECCA SOUND THE ANALOGUE YEARS からの1枚。 ピアノは、クリフォード・カーゾン。   私は、クナが嫌いですが、そのことについてはここにありますが、ジョージ・セルも嫌いです。 ただ、色々聴き進むうちに、どうもクリーブランド管との演奏のときが詰まらない。 他オケとの演奏は悪くない。 基本的にセルは情緒的表現ができません。だから演奏は淡々と進んでいきます。 そこをクールで良い。淡々と進む中で滲み出るブラームスの哀愁なんて評されることが多いですが、私から見たらそんなの音楽がそういう風に作ってあるからで、セルは何もしてないよ、って思ってしまいます。 実際、セルが良いとされるのって、ブラームス、ドヴォルザークですからね。音楽自体が情緒的。そういう旋律。 セルの音楽は基本的にはそうなんですが、他のオケとの場合はそれでもその辺のよさを感じますが、ことクリーブランド管との演奏となると、私は全くダメですね… で、性質が悪いことに、セルファンが、この私が嫌うクリーブランド管との演奏をことさら絶賛するものだから、余計私はセルが嫌いになったともいえます。   クリーブランド管のこの辺の話は、マーラー特集のときに、ここに書いてます。   でも、今回は安心。笑 ロンドン響との演奏。しかもピアノはカーゾン。 何の心配もありません。   まさに、英国流ブラームスを、さらりとお聴きください。 ね、悪くない。 というか、主役はもうカーゾンでしたね。 伴奏だからそれで良いんでしょうけど。   クリーブランド管以外のオケとだと、急に大人しくなるセルって、実は、気の弱い、内弁慶な人だったのかもしれないですね。 真面目で不器用で。      

Saturday, January 17th, 2015 

英国流ピアニズムに魅せられて・・・ カーゾンの”グリーグ ピアノ協奏曲イ短調”

イギリスのピアニストと聞かれて、皆さんは直ぐにお答えできますでしょうか。私はできません。そうですね… 有名なところではリリー・クラウス、ラドゥ・ルプー、アンドラーシュ・シフといったところでしょうか。バランス感覚に富み、繊細でとてもセンスのある演奏が特徴かと思います。 今日聴くクリフォード・カーゾンはそのイギリスのピアニストの中でも最右翼ではないでしょうか。ブリテンとのモーツァルトをお聴きの方も多いと思いますが、あのピアノの美しさといったら….. ドイツ人の弾くピアノとは違いますし、フランス人のそれとも違う。ましてや日本人的無味無臭の持つ究極の美しさ、とはまた違う、正に英国流のピアニシズム。気品から生まれるその響きは、奏者の指から鍵盤に伝わり、ハンマーが良質なフェルト越しに弦に触れた瞬間、瑞々しくも繊細に輝く一滴の雫となって、私たちの前に現れては消えていきます。  伴奏のオケは、そんなカーゾンのピアノとは裏腹に、実直で無骨、繊細とは程遠いのですが、カーゾンのピアノで、全てが肯定されます。とは言え、ブリテンとのモーツァルトの演奏もブリテンの伴奏が主張しすぎるくらいでしたし、このくらい骨格のしっかりした演奏でなければ、カーゾンの千変万化に移り行く音色とその深い表現を支えることは不可能なのかもしれません。  第2楽章は傷のためリッピングできませんでしたので、同じカーゾンのピアノで1951年録音のアナトール・フィストゥラーリ指揮、ロンドン交響楽団との演奏のものです。  【グリーグ “ピアノ協奏曲イ短調作品16“】 ? Ripped in 24bit-192KHz 【Personal】サー・クリフォード・カーゾン(ピアノ)、エイヴィン・フェイエルスタード指揮、ロンドン交響楽団 ■録音:1959年6月【Take】Track1.第1楽章 Allegro molto moderato, Track2.第2楽章 Adagio, Track3.第3楽章 Allegro moderato molto e marcato Track1. Track2. Track3. 素晴らしい演奏でしたね…  カーゾンのモーツァルト、また聴きたくなりました….   ★PC音源はメインシステムで聴きましょう。  

Saturday, August 18th, 2012 

カーゾンのモーツアルト・ピアノ協奏曲第20番、第27番

今日は、クリフォード・カーゾンのピアノでモーツアルト・ピアノ協奏曲第20番と第27番をお聴きいただきます。 クリフォード・カーゾンのピアノでモーツアルト・ピアノ協奏曲と聞きますと、最近多くのリマスターを発売されています、エソテリックのSACDを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、今日お聴きいただくのはDECCA LEgendsシリーズのドイツ盤です。 実は、そのSACDは持っているのですが、もっぱらCDを聴く私としては、ハイブリットであるこの盤のCD層の音に不満があり今回お聴きいただく盤を購入したわけです。 何が不満かと言いますと、本来の音よりレンズ一枚越しに聞いているような感じあるんですね。だから音が焦点を結んでこちらに飛んで来ない。どうしても我慢できませんでした。 この傾向は他の同シリーズ、例えばカラヤンのワーグナーにもいえます。 恐らくCD層はSACD層の下にある関係でしょう。SACDのCD層は音が悪いと昔から言われていたことを忘れていました。 SHM-CDなんかは、CDをより透明にし、レーザーがロスなく通るようにして、実際その効果は抜群なわけで、それを考えたら、SACD層の下にCD層があること自体、音には良いわけないように思いますし、精神衛生上よろしくありません。 ただ、エソテリックの名誉のために言っておきますが、聴こえている音の質自体はしっかりしたもので、DSD処理した効果がCDにも現れています。 で、この盤ですが、残念ながらこの盤もどうかな・・と言う感じではあります。 96KHz,24bitでリマスタリングしていますが、音がクールになりがちで、この録音の芳醇さが後退しているように聴こえました。 でも、そんなこととは関係なく、カーゾンは素晴らしいです。 ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466 ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K595 ・・・ 33:11~ サー・クリフォード・カーゾン(p)ベンジャミン・ブリテン指揮,イギリス室内管弦楽団,スネイプ、モールティングス1970年DECCA録音 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder ファイルサイズは99.7MB。 音声はMP3です。   モーツアルト/ピアノ協奏曲第20番K466,第27番K595 -DECCA Legends 独盤- (映像と実際使用したCDのジャケットは異なります) いかがでしたか? カーゾンはやさしく、温かみがありながらも気品があって・・ 弱音が恐ろしく綺麗ですね。 この人のピアノでもっとモーツアルトを聴きたいと思いました。 ただ、ブリテンの指揮は少々うるさいように思いましたが、それもこの盤、この演奏の個性になっているのかもしれません。 音的には、質の高い音は聞こえているけど音が遠いSACDのCD層よりも、一音一音、しっかりこちらに響いてくるこの盤を私は選びます。 皆さんはどうお聴きになりましたでしょうか?

Friday, April 22nd, 2011