Archive for October, 2016

トム・ディクソンに見る、振り付けの基本?紀平選手の”ラプソディー・イン・ブルー”

振り付けの基本、だなんて、御承知のとおり、私別に振り付けしでもないですし、振り付けに詳しいわけでもないですので、ちょっと、あれですが、紀平選手の”ラプソディー・イン・ブルー”を見て、ああ、振り付けって、こういうのでいいんだぁ、って感動しまして… こういうので、って言うのは、この紀平選手の”ラプソディー・イン・ブルー”、トムディクソンの振り付け、記事にも書きましたが、なんていうんでしょう、見た感じ、全然力が入っていない。まあ、ジュニア上がりたての少女にということで頼まれて、ちゃちゃっと、というわけではないんでしょうが、あまり時間かけず、トムディクソンのセンスだけで作った感じの振り付けです。 勿論、私の印象で、本当の所はわかりませんけど… 紀平選手は、皆さんどうお思いかわかりませんが、私は、彼女は、音楽の表情を捉え、それを身体であらわすことが、非常に上手い、って思うんですよね。もう、14歳とは思えない。 この演技は、トリプルアクセル成功した時の演技で、トリプルアクセル成功したということで、演技も、グッとジャンプに集中した感じがあって、振りへの集中は落ちているんですが、トリプルアクセル失敗したチェコ大会の時は、本当に、ピッタリ、音楽と振りつけとが一体となった演技で、そういう意味ではチェコ大会のほうが良い演技だったくらいです。 振り付けの基本… といっても、専門的なことではないんですが、つまり、単純な話し、振り付けの基本って、まずは、音楽を体の動きで表現する、ことですよね? 4分の間には、音楽とは関係ないジャンプ、スピン、ステップといった要素をこなしていかなければなりませんから、どうしても、音楽とは離れた演技をする場面は出てくるものなんですが、だからこそ、要素ごとの繋ぎの重要性があるんでしょうが、トムディクソンのこの”ラプソディー・イン・ブルー”は、極端に言えば、演技の全てが、音楽、音をを身体で表現した振り付けで、出来ている、そんな感じなんですよね… 無駄が無い。 彼女の動作一つひとつ、全てが、音楽、音を表現している。 例えば、冒頭の繰り返しの四分音符の音形は、身体をくねくねし、次のピアノの十六分音符のピアノの強い音でパッとした感じを、両腕をパッと広げることで現したり、ジャンプの後のクラリネットのしゃくり上げる感じは、腕を下から上へ。 その後トランペットとトロンボーンのミュートをつけた、少々間の抜けた、とぼけた感じが、レイバックスピンで、くるくる回るのと、なんかピッタリ嵌っていて… で、その後、ガラッと曲調が替わる時に、紀平選手が頬に手の甲ををあて、にこっと! もう、ここまででも、音楽、音に振り付けがピッタリで、無駄がありませんで、私なんか、もう、紀平選手の上手さもあって、この時点で、この振り付け、演技に引き込まれました。 上手いなあ、と… 中間の静かなところに入る部分のピアノ演奏の所は、そのまま、ピアノを弾いている様子が振り付けになって、そして、弦の旋律に入る前の最後のピアノの高い音で、バレエ風のポーズで、音楽の雰囲気にピッタリ。笑 行進曲風なところは、腕、脚を真っ直ぐにして腕を挙げ、脚を前に出し、よくある兵隊の行進を思わせる動きだったり。笑    そんな感じで、その後も音楽と音の要所要所をしっかり拾って振り付けにしていくわけですが、それを全部説明していくのもあれですので、そういう視点で、もう一度この彼女の演技、見てみてください。 あと、この振り付けの特徴は、紀平選手のジャンプ能力を信頼している、そんな振り付けですね。言い換えれば、彼女のジャンプの安定感あってこその、振りつけです。 ジャンプの後に決めポーズって言う場面が何回かありますからね。 ジャンプの質、出来として、演技に溶け込んだジャンプ、という言い方しますが、このトムディクソンの”ラプソディー・イン・ブルー”は、振り付けそのものが、ジャンプと一体となった振り付けということで、ある意味、難しい、ジャンプが安定している紀平選手だからこそ可能だった振り付けなのかもしれませんね。   後半、クライマックスに入っていく部分、3:53くらいのところなんか、両腕をこちらに向けて、これからクライマックスですよ、どうぞ、と誘う感じが、何とも好きですねぇ~。笑 解ってもらえますかね…   音が低い音から上昇すれば、腕を下から上へ。 音楽が早ければ、動きも早く、ゆっくりであれば、動きも遅く。 音楽が元気なら、振り付けも元気に、音楽がやさしいのであれば振り付けも優しく。   こんな基本的な、当たり前をおさえるだけで、こんなに楽しい振り付けが出来るんだなあ、と思った次第。   勿論、色んな振り付けがあった方が楽しいので、これは、そのうちの一つですね。   でも少なくとも音楽を表現する、この一点を見失っては、より大きな感動は得られない、そう思います。      

Wednesday, October 19th, 2016 

で、改めて、浅田選手のフリー “リチュアルダンス” …

浅田選手と同じように、ローリーニコルの呪縛にかかってしまっている選手といえば、アメリカのグレイシーゴールドですね。 しかも彼女は、ここ3年間、ショート、フリー共にニコルということで、どうなんでしょう… まあ、良い振り付けで気に入っていて、それで選手も演じやすく、それで成績もよければ、特に、振り付け師をころころ替える必要もないのかもしれません。 浅田選手は、ここ何年もタラソワとニコルだけですし、本田選手だって、ここ3年は、ズエワと、トムディクソンでショートとフリー演じてきてますからね。 振り付けの出来さえよければ、ですね。 まあ、所詮、振り付けは、好き嫌いでしょうから、私とニコルの相性、悪いということですね。 ただ、ニコルは、使用曲がクラシックに偏ってきていて、何となく、それが何かしら無理をして、振り付け師としての自分に箔を付けようとしているようで、何となく、グレイシーと浅田選手は、そのためのツールになっているような、そんな気がして、ならないんですね… だって、どう見たって、アメリカのモデルもやるようなあのグレイシーに、クラシックを、しかも原曲そのままで演じさせると言うのは、無理があります。 演技だって、彼女頑張っているけど、まあ、そのとおり、頑張っている感が演技全体に漂っていますし、ぎこちないですよね。 彼女ジャンプで得点できるので成績はいいですから、まあいいか、って感じですけどね。 今シーズンも、何をやるかと思えば、あの、ダフニスとクロエですよ。フランスの作曲家ラヴェルのバレエ組曲のアレですよ。 昨シーズンはストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」で、まあ、この曲は実際バレエとしても演じられるものですし鳥ですから、コンセプトが明確で振り付けもしやすいものでしたから、駄目な振り付けではなかったですが、今年のダフクロは、もう、ちょっと無理があります。     まあ、演技は、ジャパンオープンということで、彼女も、全く調整不足、練習不足で、昨年もそうでしたけど、もうボロボロで、まだ全然、人様に見せるレベルではないんですが、それでもそれを承知で参加してくれているのは、調整の意味と、恐らくギャラでしょうかね… そういう演技でしたから、正確な評価は出来ませんが、まあ、見た感じ、焦点がボヤけてというか、無い。 この振り付け、どこが、ダフニスとクロエ?ですよ。 この振り付けでは、今年彼女、苦労するだろうなあと思います。 何故、彼女にクラシックばかり、やらせるんでしょうかね?? しかも、洒落た編曲ものではなく、ただ原曲を切り貼りしただけの重いまんまで… これは、浅田選手にも言えますね… 何故でしょうね… 返す返すも、そんなニコルでしか、残りの浅田選手の演技が見られないと思うと、非常に残念でなりませんね…   と、ちょっと本題からズレてしまいましたが… まあ、その浅田選手の今シーズンの”リチュアルダンス”。 もう、コンセプトが、音楽とは無関係の鳥、ということだけで、しかもしっかり振り付けに鳥を思わせるポーズ動きが出てくる時点で、話になりません。 音楽と振り付けが合っていませんので、どんなに浅田選手が頑張って完璧に振り付けを演じたとしても、音楽と振り付けの持つ、其々のエナジーが違いますから、振り付けと音楽とが一体となったときに感じる興奮、高揚感、そこから得られる満足感が、ほとんど得られませんね… それは偏に、音楽と振り付けが、別物だからですね。 だから、浅田選手の演技が、彼女はいいんだけど… 振り付けのあの部分は良いんだけど… という話になってしまう… そういう意味で、私は今回のリチュアルダンスは駄目なんですが、ただ、音楽、振り付け、それぞれを個別に見ると、それほど悪くはないと、思います。 音楽も、フリーも、使用曲名を、リチュアルダンスということにしたのは、まあ、フィギュアだからしょうがないな、と思いますが、ショートを組曲中の有名な曲をピアノ伴奏で小さい世界を表現して、フリーでは、組曲の他の曲を入れつつ、ショートの曲をメインに、オーケストラの大編成で、ショートとの関係性を保ちつつ、ショートからは一転、大きく、広がりのある世界を現していますから、まあ、こういう、趣向も悪くは無いですよね。 それに4分というで限られたなかで、無駄の無い効果的な選曲も良いです。 振り付けは、音楽とは全く関係なく見ますと、チェロスイートに見られるような、変なポーズも無いですし、何よりも今回のニコルの振り付けは、シャープで明確で、音楽とは関係ないですが、鳥、というコンセプトが自分の中に明確にある、そんな振り付けでした。 鳥の魔女、魔女に仕える鳥が、魔術の炎の周りを踊り狂っている、みたいな感じ、ですかね?笑 ですから、この曲を何も知らなければ良いんでしょうけど、知っていると、この振り付けには、違和感あるでしょうね…   いずれにしても、フィギュアスケートは、音楽だけでも、振り付けだけでも、なく、双方が一体となったもの、それを選手達は演じているわけですから、ね。 救いは、浅田選手の振り付けの演技の完成度の高さです。 これに尽きます。   音楽を、形に表すことが出来ない、ニコル。 タラソワの影を追いつづける、ニコル。   困りましたね…      

Saturday, October 15th, 2016 

実は予想が当たっていた、浅田選手のフリー “リチュアルダンス”

浅田選手のエキシの曲、”チェロスイート”なるもの、浅田陣営からのアナウンスだけでは全くどの曲をやるのかわからない状況でしたが、私が予想してその予想が大当たりしたこと、皆さんの記憶に新しくはないとは思いますが、その記事がこちら。 「大当たり!! 真央のチェロスイート…」 ね、見事大当たりだったわけですが、フリーのリチュアルダンスについても実は、予想していたんですねぇ~。笑 で、それが見事的中。 的中、というとちょっと言いすぎですが、ショートでは、プログラム名どおり、「リチュアルダンス」火祭りの踊りのみでしたが、フリーでも、同じリチュアルダンスをやると言い張っていた彼女でしたが、笑、どう考えてもあのテーマが少なく展開もない、短い曲をフリーでやるのには無理がある、ということで、リチュアルダンス、といいながら、フリーでは、組曲全曲の何曲かもやるのでは?と予想していたんですね。その記事がこれ。 「リチュアル・ダンス? チェロ・スイート?」 ………………………………………………………………………………………………………………………………. ……………………………………………………………………………………………………………………………….   ね? もうね、 「ニコルよ、お前のやったことは、全部、お見通しだぁ!」 ですね。笑 で、実際全曲13曲中、「リチュアルダンス-火祭りの踊り」以外にどこを使ったかですが、以下のとおり。 1.第2曲「洞窟の中でー夜」 2.第11曲「パントマイム」(中間部分を抜粋)」 3.第4曲「亡霊」 4.第8曲「火祭りの踊り」 弦楽のゆったりとした旋律のあとの、フルートや弦楽器のグリッサンドが特徴の第4曲は、13小節しかない曲で、最初のトランペットのミュート部分をカットして、そのグリッサンド部分だけ使っていますね。 そして、そのままなだれ込んで、「火祭りの踊りーリチュアルダンス」へと続きます。 まったく、フリーは「リチュアルダンス」というより、恋は魔術師ですよ。   全曲ファイルです。 おおざっぱにですが、下のプレーヤーでどの時間に飛んでいるか、みてみますと、 (1)0:43~2:25 → (2)17:56~18:40 → (3)4:08~4:15 → (4)11:16~13:06     で、改めて、浅田選手の演技を見ますと、ああ、なるほどね、と合点がいきますね。     で、つまり、彼女が言っていた、ショートとフリーで1つ、の意味は、 ショートの「リチュアルダンス」は、実は、他のlいろんな曲の集まりである組曲全体の一部で、フリーの他の曲の中で聞くことで、改めのこの曲の意味が分かる、 みたいなことを、言いたかったんでしょう、   かぁ???????   …   だから、それ、みんな知ってるし…     って、そんな、大したコンセプト、しかけ、でもないんですけどね…     っていうか、だから、そのフリーは、リチュアルダンスじゃないんでしょ…?       ????????????      

Thursday, October 13th, 2016