クリスタルと言っても、丸く艶のある水晶ではなくて、さまざまな角度にカッティングされ、入ってきた光を自身の中で 屈折させ、複雑で、色んな色の光を放つ、あの、クリスタル。 強くて、しなやかで、激しくて、やわらかくて… この頃の彼女は、フィギュアのために出来たかのようなその体で、弾けるように、いつまでも、氷の上を舞っていまし た。 人肌の感情ではなく、クールで、ピュアで、何かを表現すると言うのではない、ただただ、その体が、ひたすらに、回 り続けていました。 月の光に輝くクリスタルのような、 そんな彼女に、また、 会いたい… サンソン・フランソワのピアノ