Archive for February 15th, 2014

ありがとう、大輔 !!

高橋選手。 お疲れ様でした。 思えばトリノの時、オリンピック本番で、ジャンプを飛べば転ぶ、飛べば転ぶで、見ているこちらの方が切なくなったのを覚えています。でもそのジャンプには迷いがなく、素直に飛んでいて気持ちよいほどでした。が、同じくらい気持ちよく転んでましたけど。笑 あれから数年経ち、あの長い髪がぴんぴんはねていた若者が、知らないうちに少しずつ大人の階段を上っていたようで、なのに、ジャンプの安定感も増し、これからという時の再起不能の怪我。でもテレビに映るリハビリに苦しむあなたは、それでも私にはそれほど暗くは感じなかった。スケートもう出来ないかもな、と思いもしたけど、でも何故か大丈夫かなと…  リハビリを終え、その後のリンク上でのあなたの苦しみは、私には知る由ももなく、文字通り想像を絶するものだったのではないでしょうか。 そして復活。 再起不能だったはずなのに、オリンピックで日本男子初のメダル。 あなたがどれほどの努力をしたかは、結果を見れば分かりますが、結果が出なくてもその努力は変わらず、でも、結果が出て、良かった。 報われて良かった…   もう、オリンピックは目指さないかもといっていた気がしたけど、目指すことを決めてくれ、良かった、と思いました。 そしてそして、本当に最後のオリンピック。 調子が上がってきた矢先の怪我もあって本調子には程遠くて、一度は絶望だったオリンピックでした。 だから、本当は、成績なんかより、オリンピックという晴れ舞台で、もう一度あなたの滑りを見られるだけで良かったんです。 だから、それが叶って、私は幸せです… 演技は勿論、点数的にはもっともっと出来るはずでした。でも、フリーの冒頭、4回転を失敗した後、予定していた4回転でなく3回転に切り替えましたね。多分あなたは、無理をしてこれ以上自分とかけ離れた演技をするよりは、今自分が出来ることを心を込めてやろうと、その時思ったのではないでしょうか。 実際は、4回転2度飛ぶ選択はなかったようですね。 あなたのファンに対する愛、自分の演技を見ている人たちへの愛を感じました。 それはこれまでのあなたの姿そのものでした。 私はそれほどのコアなフィギュアスケートファンではありませんが、それでもこうやってフィギュアスケートに接することが出来たのは、今こうやって振り返ってみると、高橋選手がいてくれたからなんだと思います。 彼はいつも日本フィギュアスケートの、ある意味、精神的な支柱、支えだったように思います。彼がいたから、日本でフィギュアスケートがここまで愛されたんだと思います。 男の私が言うのもなんですが、競技の世界に彼がいないというのは、本当に寂しいです…笑 大きい声じゃ言えませんが、こうやって振り返って、改めて彼がこのオリンピックでどんな思いで滑ったんだろうか、演技を終えた時の彼の表情を思い出すにつけ、泣けてきます… 彼の素晴らしさは、正直なところ、誠実なところです。 きつい時はインタビューでも正直に「きつい」と言える。 辛い時は正直につらいと言える。 彼の苦しみは、彼を通過することで、私たちにはその何分の一にも減ってしまっている。 だから、彼と接する私たちはいつも優しい気持ちでいられるんだと思います。 いい奴ですよ。笑   とにかく、高橋選手、お疲れ様でした。   そして大輔、ありがとう!!        

Saturday, February 15th, 2014