はい、答えは「矢代秋雄」でした。 ↑その作風とは異なり、なんとのどかなお顔立ち・・ 矢代秋雄は、1929年生まれで、昨日お聴きいただいた武満徹(1930年生まれ)とほぼ同い年なんですね。正直、こういうブログを書いたりしないと、作曲家の年齢なんてあまり気にしませんからね。勉強になります。 矢代は、東京藝術大学研究科を卒業した後、昨日ちょっとお話しましたとおりパリ国立高等音楽院に留学しています。彼はかなり優秀だったらしく、そこで和声法でトップの成績を上げるなどして、優秀な成績で卒業しています。それと、完璧主義、寡作主義と、言われているそうで、この辺は私の尊敬するラヴェル先生もそうですから、非常に好感が持てますね。笑 ただ、弟子の一人に池辺晋一郎がいるそうで、これまた師匠とは大分違って多作の作曲家ですね。 「交響曲」は、1956年に設立したばかりの日本フィルハーモニー管弦楽団の日本人作曲家への委嘱シリーズの第1作として発表された曲で、矢代にとっても同じ1956年に帰国した後の第1作目として自身を世に問うた力作です。 作曲は、1958年の1月末から5月半ばにかけて行われており、彼としてはかなりのハイスピードと言えます。 これについて、初演時のプログラムに、「遅筆の僕としては大変な強行軍だったが、ここ数年来、交響曲を書く心の準備が十分出来ているような気がしていたので、敢えて強行軍した」と語っています。 これからも、彼がこの曲にどれほどの思い入れがあったかが分かりますね。 【矢代秋雄 /交響曲】 佐藤功太郎指揮 東京都交響楽団 1992年1月25日、都響日本の作曲家シリーズⅡ 矢代秋雄作品集より リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【収録曲】 1 第1楽章 Prelude:Adagio-Moderato 2 第2楽章 Scherzo:Vivace 3 第3楽章 Lento 4 第4楽章 Adagio-Allegro energico やはり、「優秀だったんだなあ」という感じの曲ですよね。なんかこう・・隙が無く、よく出来てるって感じで、それでいて、ただ譜面づらがよくかけてるだけでなく、曲全体に確固とした世界観があり、音符一つ一つが無駄になっていなくて、その世界観の構築に貢献しているというか・・ 私個人的には、ヒンデミットの交響曲「画家マティス」を思い出しましたけど。 こうして聴いて見ますと、ほぼ同い年なのに、武満徹と矢代秋雄は随分と作風が違っていて面白いです。その経歴も対照的ですしね。どっちがどう、良い悪い、ということは無いです。タイプとしては、作曲コンクールで優勝するのは矢代秋雄で、審査員特別賞が武満徹ってところかな。笑 演奏は、このほかに色々出ていまして、ニコニコ動画でのこの動画へのツイッターにナクソスから出ている「湯浅・アルスター管で十分」なんてありましたが、私が聴いた感じでは、あちらは音楽が軽く、オケの響きも明るいため、洗練された感じの演奏としては評価できるものの、この曲の重厚さが全く表現されていないため、雰囲気か無く、こっちの方が良い演奏です。 湯浅・アルスター管盤は、今回聴いた佐藤功太郎・都響コンビより、矢代秋雄、そしてこの曲への共感があまり感じられない演奏です。 オケの気迫が違います。 この辺は、好みの違い、で片付けたくないです。そうしないと音楽なんて何でもありになってしまいますからね。 大事なことです。 […]