Archive for December 17th, 2011

ミュンシュのサン=サーンス "交響曲第3番『オルガン付き』"

またまた、ご無沙汰してしまいました。 今日はミュンシュのサンサーンス「オルガン付き」を聴きましょう。 交響曲第3番ですね。 サンサーンスの交響曲は第3番までですが、じゃあ交響曲は3つかと思いきや、実は若い頃に創ったり未完だったりしたのを含めると合計7つ書いています。 ただこの3番が1886年、51歳の頃の作品であるのと比べると、そのほかは全て10.20代の頃のものですから、実質この3番が唯一の交響曲と言っても良いでしょう。 サンサーンスは、私的には、卒が無く、上手い、でも可もなく不可もなくといった印象があります。 私の尊敬するラヴェル先生も確かサンサーンスのことを「つまらぬ曲を書く奴」と言っていたと記憶しています。笑 この交響曲が作曲された1886年はラヴェル先生11歳。親子程の年の差があるとはいえ、二人の曲を聴き比べてみるとその作風に年の差以上に「時代」を感じますし、ラヴェル先生の才能が如何にぬきんでていたかが分かります。 とは言え、華やかで、分かりやすく、飽きの来ない名曲です。 【サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 Op.78『オルガン付き』】 ベルイ・ザムコヒアン(オルガン) バーナード・ジゲラ&レオ・リトウィン(ピアノ) ボストン交響楽団 シャルル・ミュンシュ(指揮) 録音:1959年4月5日、6日、ボストン、シンフォニー・ホール リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【収録曲】 1.第1楽章(前半)Adagio – Allegro moderato 2.第1楽章(後半)Poco adagio 3.第2楽章(前半)Allegro moderato?Presto 4.第2楽章(後半)Maestoso?Allegro 使用したCDは、XRCD-SHMですので、全く問題ありません。 1959年の録音とは思えない、素晴らしいアナログサウンドです。 演奏は、もっと派手で面白い演奏は他にもあろうかと思いますが、構成力がしっかりし、且つ抜群の推進力のある演奏は、永年この曲のリファレンスとして君臨してきた演奏だけのことはあります。 ただ、一箇所気に入らないところがあります。 後半33:21からのテンポです。 例えばアンセルメなんかはここから速くなって、クライマックス突入の合図のような感じでこの瞬間盛り上がってくるのですが、ミュンシュはテンポを維持してしまい、盛り上がりに欠けます。 で、スコアーを確認しました。 スコアーでは、28:49から「2分音符=92」で、33:21からは「2分音符=138」になっています。 33:21からは拍子が変わっていますが、同じ2分音符でのテンポが速くなっていますので、やはりここからは若干速く演奏するのが正しいのかと思います。 ただ、このクライマックスの中、スコアーではその後「2分音符=138」から「2分音符=100」にテンポを落とす指示になっていますが、ミュンシュは33:21にテンポを上げなかった分、必要以上にテンポを落とさず、逆にアッチェル気味に、凝縮されたエネルギーをフィナーレに向けて爆発させています。 […]

Saturday, December 17th, 2011