ジュリーニの ドヴォルザーク "交響曲第9 『新世界より』"

今日は、ジュリーニの指揮でドヴォルザークの新世界を聴きます。

アムステルダム・コンセルトヘボウ→
ジュリーニの新世界は他に1977年のシカゴ響とのものがありますが、これは1992年録音のコンセルトヘボウ管との演奏。
ジュリーニはイタリアの指揮者で、1998年引退、2005年に亡くなっています。1914年生まれですから、91歳だったんですね・・ タイプとしては楽譜に忠実に、アゴーギクを大切に丁寧に演奏する指揮者だという印象があります。で、結果的に演奏そのものは全体的に遅くゆったりしたものが比較的多いのではないでしょうか。
ですから、評価の別れる指揮者かも知れませんが、音楽に対するその誠実な姿勢は、悪く言う人は少ないのではないでしょうか。
この新世界もそんなジュリーニらしい演奏で、演奏時間46:55と、やはり比較的遅めではありますが、例えば Wikipediaの記事による平均演奏時間と比較しても、その範囲以内には入っています。
完璧主義者とも言われたジュリーニ、78歳とは思えないその精緻なスコアー読みは全く衰えていません。

【ドヴォルザーク/交響曲第9番 ホ短調 op.95『新世界より』】
カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
アムステルダム、コンセルトヘボウ、1992年
リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85
リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor
PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz
AVI作成ソフト:AVIMAKER
FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder
音声はMP3
【収録曲】
1.第1楽章adagio – Allegro Molto
2.第2楽章largo

【収録曲】
1.第3楽章scherzo : Molto Vivace
2.第4楽章allegro Con Fuoco

ジュリーニの精緻で丁寧な演奏は時として音楽を客体化し、作曲家の体臭を消してしまって、曲が持っているエナジーやパッションを感じづらくしてしまうことがありますが、今回も最終楽章にそれが出てしまったようです。
第1楽章~第3楽章まではジュリーニ流のアプローチでもそれ相応の音楽として私たちの心に染みてきますが、残念ながら第4楽章は、それだけではドヴォルザークの故郷への思いは表現できません。最終楽章に出てくるいろいろなモチーフやフレーズ、音形は作曲家のダイレクトな感情が含まれているので、それを表現するためには、演奏者も曲に対しよりダイレクトに接していかなくてはなりませんが、ジュリーニ、オケともそういう思いはあって、何とか盛り上がろうとして入るものの、どうしても前三楽章での緻密な演奏スタイルが影響し、なかなか温度を上げることが出来ませんでした。
恐らく、頭、脳みそで音楽聴く人は良いでしょうが、演奏は完璧ながらも何か食い足らない、寂しさを感じるのも事実です。
とはいっても、こんな演奏を現存の指揮者では誰一人としてなしえる人はいないでしょうね。
それにしても、コンセルトヘボウは凄い残響ですね。写真で見てもそんな感じです。
ソニーのこの録音は、ちょっと線が細いです。演奏が細身でエネルギー不足に感じるのは、録音のせいもあるのかもしれませんが、それでも分厚くハーモニーを鳴らせるのはさすがコセルトヘボウ管ですね。
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