フィギュア・スケート史上最高のプロ-浅田真央『鐘』、ピアノデュオ版ともう一つの管弦楽曲版を聴く
現役選手の過去を振り返るのはあまりしたくないのですが、いずれは触れなくてはと思っていたので、今更ですが、浅田真央選手の「鐘」です。
といってもラフマニノフの、ですけど。笑
演技についてはもう話す必要ありませんね。
今日は曲の話です。
ラフマニノフの「鐘」です。
これは、と言いますかもうご存知でしょうが、正式には
幻想小曲集 Op. 3 – 第2番. 前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」
です。
管弦楽曲編曲ではなく原曲としてはピアノ独奏がよく演奏させるかと思いますが、ラフマニノフはピアノ2台用にも編曲をしてます。
ピアノが2台になったと言うことは、つまり、指が10本から20本になったと言うことですから、音も最大20音可能と言うことです。また、ユニゾンも当然分厚くなりますし、曲全体の音量も上がります。
これです。↓
ラフマニノフ/幻想小曲集 Op. 3 – 第2番. 前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」(2台ピアノ編)
ニーナ・シューマン (ピアノ)
ルイス・マガリャアエス (ピアノ)
録音:2006年1月7日-13日南アフリカ、ステレンボッシュ大学エンドラーホール
WAV,24bit-192KHz
MP3,Convert to 320kbit/s-48KHz
真央選手の演技で慣れているとピアノ版はちょっと拍子抜けかもしれませんね。でも、これでもピアノ独奏より相当管弦楽版に近いです。浅田真央選手が使った管弦楽曲版の編曲はストコフスキーらしいのですが、このデュオ版を聞くとストコフスキーはこのデュオ版を元に編曲したのではないかと思います。
で、次はストコフスキー版とは別の編曲を聞いて下さい。編曲者はルチエン・カイエという人で、フランス人作曲家のようですがフィラデルフィア管の編曲をやっていたようですので専門は編曲ですね。1891年生まれで1985年に没で、ストコフスキーが1882年生まれで1977年没と言うことからすると2人はほぼ同時代を生きていたと言うことですね。どっちが先にこの「鐘」を編曲したのかは分かりませんが、それほど大きな違いはありません。ただやはり、最初の弦のトレモロとかオーケストレーションなんかは真央選手が使ったストコフスキー版の方が視覚的で雰囲気が出ていて面白いです。
ラフマニノフ/前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」 Op. 3 No. 2 (管弦楽編)
編曲 : ルチエン・カイエ – Lucien Cailliet
バンクーバー交響楽団
セルジュ・コミッショーナ
WAV,24bit-192KHz
MP3,Convert to 320kbit/s-48KHz
こうして音楽だけで集中して聴いてみますと、この曲、クラシックの中でも、暗く重い曲です。日本ではこの曲、ラフマニノフの曲とは言え非常にマイナーですが、フィギュア・スケートのプログラムとして、タラソワがいずれは、と言うことで暖めていたと言うのですから、彼女は凄いです。
改めてこの曲でフィギュア・スケートが行われたと言うことがどれほど凄いことか、思い知らされます。
フィギュア・スケート史上最高のプログラムにして最高の演技。
この演技の前では、サーシャの「マラゲーニャ」もスルツカヤの「ワンダーランド」も霞みます。いや、別物と考えた方が良いですね。
そして、にもかかわらず、この演技に対して129.50と言う点しか出せないジャッジ。
技術的に色々あるのかもしれませんが、
浅田真央にフィギュア・スケートが追いついていないと言うことでしょうか…
雑音が気になりますね
さかさん、
そうですね…
お聞き苦しくてすみません。
もともとの音源があまりいい状態ではなかったんですよね…