浅田真央、最後の年の始まりに… ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とショパンのノクターン第2番を聴く

フィギュアスケート選手の浅田真央選手が今シーズン限りで引退するとのこと。

 

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あぁ… ですね。

寂しい、この一言に尽きます。

今ちょうどラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、第2楽章、美しいアダージョ・ソステヌートを聞きながら書いてますので、その思いもひとしお…笑

 

彼女に関しては以前にもちょっと触れましたが、私はフィギュアスケートに関してはそれほどコアなファンではありませんで、浅田真央選手を意識して応援しだしたのもバンクーバー・オリンピックの2年前くらいからと思います。ちょうど彼女が理不尽なジャッジと直向に戦っていた頃と思います。それ以前の彼女に関してはどちらかというと好きではありませんでした。基本的に私は、天才少女とか、そういう子供がうまくやってのけて凄いというものには全く関心がありません。音楽も。ですから、曲に合わせ表現するスポーツであるフィギュアスケートにあって、彼女が氷上で上手く回転しようが演技や所作が稚拙だと全く評価しませんでした。

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でも、彼女バンクーバーに近づくにつれ少しずつ変わってきたんですね。

彼女の滑りに意志を感じるようになった。

そこからです、彼女を応援したいという気持ちが沸いたのは。

 

その彼女の競技用としては最後のプログラム。

フリーはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番から第1楽章です。

振り付けはタラソワ。

力強くも女性らしい可憐さと劇場的な派手さも併せ持った素晴らしい振り付け。それを浅田真央が演じることがどれほど必然であるかは、「鐘」で証明されましたね。

折角ですから、全曲聴きましょう。
ちょっとロシア的ではないんですが、ちょうどステップに当たるの箇所がテンポ的にあってるかな。演技スピードと合わせなければならないので、選曲とともに盤選びも大変と思いました。
 

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ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18
ジャン=フィリップ・コラール(ピアノ)
ミシェル・プラッソン(指揮)
トゥールーズ・キャピトル管弦楽団
1977年6月

MP3, Ripped in 16bit-44.1KHz, Convert to 320kbit/s-44.1KHz

 

出だしの振り付けの感じ、「鐘」に似てましたね。

素晴らしい曲です。

 

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ショートはショパンのノクターン第2番。

この曲は2回目。改めてその頃の演技を見ましたら、まあなんとも軽やかに苦も無くひょいひょいと飛んでます。今見るとあれはあれでよい演技だなと思った次第。

 

こういう曲はフレーズの息が長く、ゆったりと呼吸してますので、振りもその呼吸を感じることが必要でしょう。そのためには、演技にしなやかさが欠かせませんが、常に滑り続ける中でこの「しなやかさ」を保ち且つコントロールするためには、それを支える強靭な肉体と揺ぎ無いテクニックが必要なのは言うまでもありませんね。

それを併せ持ったスケーターが彼女なんです。

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ショパン/ノクターン第2番変ホ長調op.9-2

フジ子・ヘミング (pf)

WAV, Ripped in 16bit-44.1KHz

MP3, Ripped in 16bit-44.1KHz, Convert to 320kbit/s-44.1KHz

(オーディオ的には音色はFlashのmp3、演奏の確かさはQuicktimeのWAVです。)

 

本当は彼女は、もう1年はやるべきです。何故なら、彼女はまだ完成していないから。
彼女は女子フィギュア・スケーターでトップの選手ですし、それだけの実力があり才能があります。他の選手とは違う。ですから責任がある。彼女はこのプログラムで普通に滑れば210-220点以上は当たり前の選手なんです。しかし、その彼女の力がまだ出し切れていない。もう一歩。3Aだってもう本当は彼女にとっては成功して当たり前の技でしょう。この前の引退発表時のシーズン最後の演技なんかめちゃくちゃで、こんな演技しといて何が引退だ!ってその時は思いました。

でもね、その後の彼女を見ていると、あぁ.. まっいっかなぁ~、って思うようになりました。周囲でああしろ、こうしろって、もういいんじゃないのってね。

それより、彼女と歩調をあわせ、同じペースで、同じ景色を見ながら彼女の競技生活を最後まで見守っていけば良いんだと思うようになりました。

 

不思議です。

 

 

彼女の演技にはそんな力があるんです。

 

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※この記事は、「MURMUR別館」さんにトラックバックさせていただきました。
 とらももさん、ありがとうございます。
 

 

 

 

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2 Comments

  1. とらもも says:

    TBありがとうございます!
    記事拝見しました。すてきな写真もたくさんで、頷きながら読んでしまいました。

    そうですね…真央選手には五輪後も…次の五輪までとは言いませんけど、あと1〜2年やってくれないかなという気持ちは出てきてしまいますよね。
    やっと技術がものになってきたところなので…
    でも真央選手のインタビュー等を聞いていると、終わりを決めたから頑張れてるところもあるのかとも感じるので、難しいですね。
    引退してしまったら、真央選手の演技はアイスショーに行かないと見られなくなるのかと、それが気になってます。
    アイスショーの放映なんてやらなさそうですしね…でもこれだけ人気選手がごっそりいなくなったら、そういうこともありえますかね。

    どうもありがとうございました。
    (メールアドレスが必須ということで記入しましたが、このアドレスはもうすぐ期限が切れて閉める予定です。「とらもも」名義のアドレスがこれしかなかったので…すみません)

  2. gutsy says:

    とらももさん、こんばんは。
    そう言えばメール必須の設定にしてあったんですね、済みません。
    トラックバックですがもしかしたら何回も送信されて他のではないですか?
    試しにと何回か自分のエキサイトブログに送信しても表示されなかったので、そちらに何回か送信してましたので。
    もしそうでしたら済みません。

    そうなんですよね、この一年、と気持ちの整理がついているから、今頑張れているのだろうなぁ、と思います。
    ホントに来年から日本のフィギュア界はちょっと寂しいですね。
    それに、実は同じように寂しいことがあります。
    浅田選手が引退してしまうと、とらももさんの記事が更新されないのでは、ということです。
    これはとても寂しいことで、そう思っている方は多いのではないでしょうか。

    是非、浅田選手引退後も同じように記事を書いていただきたいです。

    これからもよろしくお願いしますね。

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