【マーラー没後100年記念 エピローグ】 シノーポリの10番~アダージョ 

更新遅れまして申し訳ございません。
やっと、音源アップできるようになりましたので、マーラー特集の総括をしたいと思います。
と、言っても大したことないので期待しないでください。(笑)
ただ、故障しているPCまだ直っていませんので、今回はMacで行いました。
具体的には
PC: Mac OS X 10.4.11 1.6G PowerPC プロセッサーG5
リッピングドライブ:Mac付属ドライブ PIONEER DVR-106D
リッピングソフト:Cubase Studio4
動画作成ソフト:iMovie
QuickTime Movie File to MPEG4 変換ソフト:QT MPEG4 Exporter
です。
今回のミソは、リッピングにiTunesを使わずにDAWを使ったことでしょうか。
DAWソフトであるCubase Studio4で取り込んで、何もせずそのままミックスダウンしたんですが、その方が彫りの深い音で、それに引き換えiTunesは上澄みの音って感じです。綺麗ですけどね・・
iMovieはWav.ファイルは使えないようなので、Cubase Studio4でミックスダウンするときはAIFFに変換しました。
変換ソフトの類で良さそうなものがあってもMac非対応の場合が多く、その点Macは非常に不便です。
音は、良くないです。
MP4の段階まではまあこんなもんか、という感じでしたが、ニコニコ動画にアップした段階でかなり音質劣化が目立ちました。
仕方ないですね・・
で、今日はお約束どおり、10番をお聴きいただきますが、正直申しますと10番はあまりしっかり聴いておらず、今回初めてまともに聴いたのでした・・
とりあえず、聴いていただきましょう。
【マーラー/交響曲第10番嬰ヘ短調~アダージョ】
ジュゼッペ・シノーポリ指揮
フィルハーモニア管弦楽団
1987年4月、DG録音

いかがでしたか?
マーラーはここへ来て、やっと落ち着いてきた感じですね(笑)
今まであった饒舌さが減ってきたので好感が持てます。
旋律にくどさが消え、調性に関しても従来の枠から自由な形を模索しています。
それにしても、アダージョから書いたってことは彼の頭の中には常にこのような音楽がなっていたんでしょうね。アダージョを書きたくて作曲していたのかもしれません。
さて、
これで、一応特集は終了いたしますが、約2ヶ月間お付き合いいただき、ありがとうございました。
ご紹介した全曲を改めて眺めてみますと、
【マーラー没後100年記念 第1弾】 5番 カラヤン、ベルリン・フィル
【マーラー没後100年記念 第2弾】 1番 マルケヴィチ、フランス国立管(ライブ)
【マーラー没後100年記念 第3弾】 1番 テンシュテット、北ドイツ放送響(ライブ)
【マーラー没後100年記念 第4弾】 4番 シャイー、ロイヤル・コセルトヘボウ管 
【マーラー没後100年記念 第5弾】 2番 バルビローリ、ベルリン・フィル(ライブ)
【マーラー没後100年記念 第6弾】 2番 テンシュテット、北ドイツ放送響(ライブ)
【マーラー没後100年記念 第7弾】 3番 バーンスタイン・ニューヨークフィル(ライブ)
【マーラー没後100年記念 第8弾】 6番 クーベリック、バイエルン放送響(ライブ)
【マーラー没後100年記念 第9弾】 7番 ブーレーズ、クリーブランド管
【マーラー没後100年記念 第10弾】 大地の歌 ワルター、ニューヨーク・フィル
【マーラー没後100年記念 第11弾】 9番 カラヤン、ベルリン・フィル(ライブ)
【マーラー没後100年記念 最終弾】 8番 ショルティ、シカゴ響
【マーラー没後100年記念 エピローグ】 10番 シノーポリ、フィルハーモニア管
どうですかね・・
ちょっと地味というか、お堅い演奏が多かったかなと反省しています。
それと、ライブが多かったですね。13演奏中7つもライブ録音でした。本当は、どうしても音質が不利になるのでライブ録音は避けたかったんですけどね。結果的にはこうなってしまいましたが、評判の演奏にライブが多かったということでしょうかね・・
指揮者、オケとも比較満遍なく、所謂マーラーに定評のある指揮者も入れつつ、はずれではない選曲ではあったと思いますが、最後のシノーポリのように、もとマーラー演奏としてわかりやすい演奏も入れるべきだったかなと反省もしています。
で、マーラーですが・・
いかがでしたか?笑
これだけまとめて聴くとマーラーの音楽の正体がなんとなく感じられたのではないでしょうか。
まあ、その前に私はちょっとへばってしまいましたけど・・ PCも疲れたみたい・・(笑)
こうして聴いてみますと、個人的にはマーラーの交響曲は5番、8番、9番(特に第4楽章)、大地の歌、10番を聞けばよいように思いました。
5番は伝統的な形式に則りつつ、マーラーらしさが出た本格的な交響曲といえます。彼の代名詞でもあるアダージョも生まれましたしね。
8番は、まあ、個人的に好きな曲ですし、俗な旋律を連発する俗人マーラーがよくもまあこれほどの大曲をこんなに美しく、感動的に纏め上げたものだと感心します。
9番はやはりアダージョですね。これまでの耽美なアダージョとは違い、厳しく、切なく、苦しいアダージョです。その辺は6番にも見られます。
大地の歌は、旋律にも「くどさ」がなく、自然で、アイデアに富み、斬新で、同時代の作曲家にはない楽しさがあります。良い曲です。
10番でマーラーは、無調への試みをしています。まだそれは赤ん坊のようなものですが、後の無調音楽の「芽生え」として位置づけもいいのではないでしょうか。
各曲の紹介の中でもお話してきましたが、やはりマーラーの曲には重みがありません。
彼は地元ウィーンでは評価されなかったようですが、さもありなん、です。
彼は作曲と同時に指揮者としても活動していましたが、だからというわけではありませんが、やはり作曲家としてはアマチュアだったんだと思います。
現代で言えば、例えば、作曲コンクールでは譜面審査で落ちていたでしょうね。
でも、そういうアマチュア的であったかも知れませんが、これだけ多くの交響曲を現に書いているわけで、彼の努力には敬意を表します。
しかしながら、彼の曲が頻繁に演奏され始めたのは、1970年代からで、この頃は所謂前衛音楽が廃れて、その反動でわかりやすさを求めた新ロマン派音楽がもてはやされた頃です。
そして現代でもそうでしょう。
所謂現代音楽が一般聴衆のものではなく、一部の仲間、業界の中でのみ通用する音楽になってしまっているため、ベートーベンやモーツアルト、ブラームス、チャイコフスキーは聴き飽きたし演り飽きたから、それよりは新しい時代のマーラーあたり演っておけば、聴き栄えもするし、みんな喜ぶから恰好のレパートリーになっている、そういう側面もあるかと思います。
もし、現代音楽がもっと聴衆に近いものであったら、もっと頻繁に演奏されていたなら、マーラーはこれほど注目されていたかどうか・・
そうは言いつつ、やはり先に挙げた5番、8番、9番(特に第4楽章)、大地の歌、10番は良い曲だと思います。もちろんほかの曲も決して悪くはないのですが、今回のように短期間でまとめて聴いてしまうとその評価も変わってくるものだと感じました。
皆さんはどのようにお聴きになりましたでしょうか。
私はちょっと辛口すぎたかもしれませんが、どうぞお許しください。
PC直りましたら本格的にやっていきますが、それまで、あまり音質にこだわらない曲をアップしていくかもしれませんので、その時はまた、お付き合いください。

 

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2 Comments

  1. Sugar says:

    マーラー、お疲れ様でした。楽しませていただきましたよ。
    時間があれば、私も、「好きなマーラー1番から10番」というのをアップしようかな。

  2. gutsy says:

    Sugarさん、どうもです。
    聴いてくださったんですか。ありがとうございます。
    いやー、ちょっと疲れましたね。(笑)
    記事を書くにはやはりそれなりに聴きなおさなければいけませんし、私の場合、音も大事ですので、音源アップの時点で既に調整疲れ・・でした。
    Sugarさんも是非マーラー、アップしてください!
    楽しみにしていますね。

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