ぼくのオーディオ・バイブル ジャズ喫茶『ベイシーの選択』 The Art of Pepper

一関のベイシーの話が出ましたが、ベイシーの音を実際聞く前から実は私は『ベイシー』に、いえ、ベイシーの音に魅せられていました。聴く前からですね。笑

私のオーディオの原点、オーディオのバイブルと言っていい

 

ジャズ喫茶『ベイシーの選択』
 

です。

そんな思いを以前やっていたブログ「Sucala Jazz」に書いていましたので、ご紹介します。
 
こんな瞬間にあこがれて、私もジャズ喫茶まがいなことをやってしまったのでした…..

 

 

”やがてぼくは、レコード棚に手を伸ばし、アート・ペッパーの「ミーツ・ザ・リズムセクション」ではなく、普段こういう場面ではあまりかけない、「ジ・アート・オブペッパー/Vol.1」のA面を上にしてターンテーブルに乗せた。
 通常、「アート・ペッパーのオメガ盤」と言われる元幻の名盤で、これは1958年録音のステレオ盤だ。
 1グラムあるかないかのSMEのトーンアームの先を人差し指でしゃくった僕の手が一瞬震えた。
(マズイ!)と思い、一度アームレストに戻し、二度目でスッと、今度はいいところにシュアー/TYPEⅢに針先が着地した。

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 ジムランのSG520のスライドボリュームを、メモリ数6.2の位置までスーッと一気に上げピタリと止めた。
 A面一曲目の<ポリデーフライト>は、右チャンネルのスピーカーから、アートペッパーのアルトがいきなり無伴奏で飛び出すことになっているが、”一発”で最適ボリュームを決めないと出の鋭いタンギング、つまり「気合い」と「心意気」を台無しにしてしまう。
 音が出るのを待って静かにボリュームを上げて言ったほうが良い、例えばライブ盤の拍手などから始まるレコードとは別な類のこれも一枚だ。
 四角いボリュームつまみから手を離したぼくは、あとは(ナムサン!)と祈るしかない。

【Art Pepper “The Art of Pepper”】

1208162794_art2Art Pepper(as), Carl Perkins(p), Ben Tucker(b), Chuck Flores(ds)
Recorded in LA, on April 1, !957

【曲目】
1. Holiday Flight
3. Long Ago (And Far Away)
4. Begin the Beguine
11. Breeze and I
12. Surf Ride


 

 

d.

 

 
アートペッパーのアルトの音が静寂な空気を切り裂いて飛び出す! 
間髪を入れず「凄い!!」と言う大きな声が聞こえる。

プレーヤーの位置からガラス越しに向こうを見ると、
無伴奏イントロの二小節目のアタマで既に椅子から立ち上がって
「凄い!!」を連発している菅野さんの姿が見えた。
 

 
 ・・・・・

どうやら上手くいったようではあったが油断は禁物だ。———– ”
    
                                                  
   菅原昭二(現在は正二)著「ジャズ喫茶『ベイシー』の選択」より
  
                                              

私にとってのこのアルバムは、したがって、

 

こういうことです。

 

 

 

 
オーディオとはこういうことです。

 

 


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2 Comments

  1. SEED says:

    菅野先生がお店にこられたときの文章ですね♪ あれは素晴らしいですね~
    私は最初のジムランのアンプが入ったときの文章がすきですね♪

  2. gutsy says:

    そうですね。この辺のくだりも面白いですよね。笑

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