Archive for January, 2012

ジュリーニの ドヴォルザーク "交響曲第9 『新世界より』"

今日は、ジュリーニの指揮でドヴォルザークの新世界を聴きます。 アムステルダム・コンセルトヘボウ→ ジュリーニの新世界は他に1977年のシカゴ響とのものがありますが、これは1992年録音のコンセルトヘボウ管との演奏。 ジュリーニはイタリアの指揮者で、1998年引退、2005年に亡くなっています。1914年生まれですから、91歳だったんですね・・ タイプとしては楽譜に忠実に、アゴーギクを大切に丁寧に演奏する指揮者だという印象があります。で、結果的に演奏そのものは全体的に遅くゆったりしたものが比較的多いのではないでしょうか。 ですから、評価の別れる指揮者かも知れませんが、音楽に対するその誠実な姿勢は、悪く言う人は少ないのではないでしょうか。 この新世界もそんなジュリーニらしい演奏で、演奏時間46:55と、やはり比較的遅めではありますが、例えば Wikipediaの記事による平均演奏時間と比較しても、その範囲以内には入っています。 完璧主義者とも言われたジュリーニ、78歳とは思えないその精緻なスコアー読みは全く衰えていません。 【ドヴォルザーク/交響曲第9番 ホ短調 op.95『新世界より』】 カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮) ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 アムステルダム、コンセルトヘボウ、1992年 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【収録曲】 1.第1楽章adagio – Allegro Molto 2.第2楽章largo 【収録曲】 1.第3楽章scherzo : Molto Vivace 2.第4楽章allegro Con Fuoco ジュリーニの精緻で丁寧な演奏は時として音楽を客体化し、作曲家の体臭を消してしまって、曲が持っているエナジーやパッションを感じづらくしてしまうことがありますが、今回も最終楽章にそれが出てしまったようです。 第1楽章~第3楽章まではジュリーニ流のアプローチでもそれ相応の音楽として私たちの心に染みてきますが、残念ながら第4楽章は、それだけではドヴォルザークの故郷への思いは表現できません。最終楽章に出てくるいろいろなモチーフやフレーズ、音形は作曲家のダイレクトな感情が含まれているので、それを表現するためには、演奏者も曲に対しよりダイレクトに接していかなくてはなりませんが、ジュリーニ、オケともそういう思いはあって、何とか盛り上がろうとして入るものの、どうしても前三楽章での緻密な演奏スタイルが影響し、なかなか温度を上げることが出来ませんでした。 恐らく、頭、脳みそで音楽聴く人は良いでしょうが、演奏は完璧ながらも何か食い足らない、寂しさを感じるのも事実です。 とはいっても、こんな演奏を現存の指揮者では誰一人としてなしえる人はいないでしょうね。 それにしても、コンセルトヘボウは凄い残響ですね。写真で見てもそんな感じです。 ソニーのこの録音は、ちょっと線が細いです。演奏が細身でエネルギー不足に感じるのは、録音のせいもあるのかもしれませんが、それでも分厚くハーモニーを鳴らせるのはさすがコセルトヘボウ管ですね。 ★PC音源はメインシステムで聴きましょう。 ★ランキングにご協力いただけると嬉しいです。 […]

Sunday, January 8th, 2012 

バーンスタイン "シューマン 交響曲第1番 「春」 "

世間は正月気分も抜けまして、仕事初め。 こちらも、始動、と行きましょう。 旧暦では、正月(1月)は新しい年の始まり、新春です。詳しくは無いのですが、新暦を採用している日本も1月を正月としていますので、そういう意味では今、春です。 で、その春、新春にふさわしい曲を聴きます。 ロベルト・シューマンの交響曲第1番 「春」 。 題名もさることながら、曲自体もとても前向きな若々しいエネルギーに満ちたものです。 作曲は1841年1月から2月にかけて作曲されまして、その年の3月31日に、なんとメンデルスゾーンの指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって初演されています。 フルトヴェングラーの交響曲第4番の記事でも書きましたが、シューマンがクララと結婚したのは1840年ですから、二人がまだ新婚ほやほやで、ルンルン気分で新婚生活を送っていた頃、この曲が作曲されたわけです。 ロベルト30歳、春爛漫、青春の喜びを謳歌する一曲。 【交響曲第1番変ロ長調 op.38『春』】 レナード・バーンスタイン(指揮) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1984年10月、ウィーン、ムジークフェライン、ライブ リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【収録曲】 1.第1楽章Andante un poco maestoso – Allegro molto vivace 2.第2楽章 Larghetto 3.第3楽章 Scherzo (Molto vivace) 4.第4楽章 Allegro animato e grazioso […]

Thursday, January 5th, 2012 

カラヤン "ニューイヤー・コンサート’87"

カラヤンのニューイヤー・コンサートを聴きます。 今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートは既に日本時間で昨日の夜行われましたね。 今年の指揮者は、マリス・ヤンソンス。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。 私は最初の数曲聴きましたが、途中でやめてしまいました。 正直、ヤンソンス聴いたってしょうがないですもん・・。ヤンソンスのワルツ、わざわざ正月に時間割いて聴きたいですか? ・・・・・  ファンの方、済みません。 何でですかね・・   以前、まだ巨匠とかスター、大物指揮者がいた頃は、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートといえば、今年は誰が振るのかで、結構話題にもなりましたし、そういった楽しみもありました。ところがここ数年はずっと小粒ばかりで・・  昨日、見るのやめる時、チャイコフスキーの「眠りの森の美女」から何か演奏してましたよね。これまでもそういう例はあったようですが、曲目は基本的にシュトラウス一家とウィーン・フィルやシュトラウス一家に縁のある作曲家で構成されるのが暗黙の了解事項で、例外としてこれまでも、例えばモーツァルト、リスト、ハイドンなんかはちょうどアニバーサリーの年と重なったため演奏されたことはあるようですが、単に何か新しいものを、と言うだけで今回のチャイコフスキーは無いんじゃないかな、と思います。アニバーサリーでもないですし。 指揮者では全くニュースが無いから、最近はプログラムに工夫を凝らして何とか話題性を出そうと努力しているのは良いと思いますが、ウィーンフィルのこのニューイヤーコンサートはその成り立ちからして一般のコンサートと違うわけで、名曲を聴くと言うよりも、年一度の最大のマンネリを優雅に過ごすことに大きな意味があるようにも思います。そんな時をともに過ごせる喜びをともに分かち合う、とでも言うのでしょうか。 まあ、伝統も変化あってこその伝統と言う向きもありますから、折角やるからには時代に沿ってより多くの人たちに楽しんでもらうための工夫は必要ですが、もともとの精神を安易に忘れるようなことは慎むべきと思ったりもします。 小粒の指揮者になればなるほど、変わったことをしたがるのかな・・ 今日聴くのは、最近のニューイヤーコンサートとは全く違います。 遂にあのスターが振る、ということで話題にもなりましたし、1987年の前年の86年は日本ではまだ昭和61年ですからね。アメリカではレーガン大統領で、カリフォルニア州カーメル市選に俳優のクリント・イーストウッドが初当選。 ソ連はゴルバチョフ書記長!フィリピンではアキノ大統領誕生。経済も日本ではまだバブルの頃ですし、世界経済も大きな混乱は無かったのではないでしょうか。 そんな中でのニューイヤーコンサートですからね・・ あれからちょうど25年。もうそんなになるんですね・・ 【カラヤン “ニューイヤー・コンサート’87” 】 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 キャスリーン・バトル(ソプラノ) 1987年1月1日、ウィーン・ムジークフェラインザール リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【収録曲】 1. 喜歌劇「こうもり」序曲(J.シュトラウス2世) 2. ワルツ「天体の音楽」op.235(ヨーゼフ・シュトラウス) 3. アンネン・ポルカop.117(J.シュトラウス2世) 4. ワルツ「うわごと」op.212(ヨーゼフ・シュトラウス) 5. ポルカ「観光列車」op.281(J.シュトラウス2世) 【収録曲】 […]

Monday, January 2nd, 2012