“スター”ではないけど一流のフィギュア・スケーター、羽生結弦。
ホント、今更私なんぞが言うまでもないですが、彼は、名実共に、一流のフィギュア・スケーターですね。
それに、この記事、もうとっくに皆さん見てるでしょうし…
勿論、オリンピックで金メダルをとったトップ選手が目指すことと言えば、より技のブラッシュアップでしょうし、フィギュアであれば、メダルの色よりも獲得点数をどこまで伸ばせるか、で、そのための構成をどこまで可能性を追求し、ハードルを上げることができるか、になるでしょう。
そしてそのために、今の自分に足らないものは何か、それを冷静に自覚でき、そのために全てを費やす。
「スケートのためだけに、異国に来ている感覚。よりスケートに打ち込まなくてはならない。教室にいたら、勉強しないといけないみたいな」
「オフの日も散策や外食はほとんどせず、スケートのためにとにかく休む」
でも、それより何より、彼が一流のフィギュア・スケーターと改めて思ったのは、曲に合わせ、振り付けを通し、技を決め、その中で曲の世界を観客に伝えていく、という、フィギュア・スケートと言う競技に対する意識の確かさ、です。
「クラシック曲は難しい。昨季はジャンプでいっぱいいっぱいだった」
「フリーで使う映画「陰陽師(おんみょうじ)」の曲は、物語の場面を想像しながら演じられるが、SPはピアノの旋律だけ」
そして、この彼のことば、
「無の状況から、自分の気持ちを生み出して表現することがまだできない」
勿論、フィギュアスケートはそれをする、稀有なスポーツではありますが、現実的に、そんなこと思ってやっている選手何人いるか、そしてそれが出来てる選手なんているのか、って言う話で…
そもそも、審判も、フィギュアスケート競技の審判をする上で、正直そこまで求めてはいないでしょうね…
でも、曲に合わせ、振り付けを踊りながら「演技」をする以上、「無の状況から、自分の気持ちを生み出して表現すること」は必要なんです。
そして彼は、それを解ってる…
で、だからこそ、
「(ピアノの旋律を)耳で聴きながら、曲を自然に解釈して、皆さんに視覚でも楽しんでもらいたい」
と言えるんです。
フィギュア・スケートの何たるかを、解っている。
これは、できる出来ないではなく、解っててやっているかどうか、が重要なんですよね。
2015シーズン、フリープログラム「SEIMEI」
150622 DOI 2015 Y.H SEIMEI~Show ver. & Finale 投稿者 YzRIKO
ただ彼はまだ若いせいか、演技に深みはありません。
なので、今シーズンの「陰陽師」も、彼なりの若さが出た「陰陽師」を演技切るとは思いますが、今シーズンは更に、陰影を感じる演技をして欲しいですね。
若い血潮を私たちに感じさせず、血の気のない、怪しげな「陰陽師」を演じて欲しいです。
まあ本来、血圧上げていくべきスポーツで、血の気のない演技って、どういうこと?って話ですが…
期待してます。笑
ですから、「スターではないけど」、と言うのはそういう意味で、彼はアイドルですが、まだスターではないなと。
恐らくスターになるには、多分、もう少し、スケート以外のところでの経験が必要なのかなぁ… って思います。
でも彼には現役の間はこのまま突っ走って欲しいですね。
で、恐らく彼は、プロに転向してから、スターになりますよ。
きっと。
フィギュア・スケートの大スターに。
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