フルトヴェングラーの "シューマン 交響曲第4番"

今日は、フルトヴェングラーを聴きます。

シューマンの交響曲第4番
フルトヴェングラーのこの曲の録音は、今日お聴きいただく1953年5月の録音と、同じ年8月のルツェルン音楽祭でのライヴ録音の2つあります。
で、これは知らなかったのですが、この演奏、シューマン交響曲第4番の数ある演奏の中でも非常に評価が高いようで、また、フルトヴェングラーの多くの演奏の中でもベストと言われるほどの物のようです。
本当に私は無知で、ダメですね~・・ 反省・・・
今回こうして音源アップすることになったのも、「legendary DG sound of the 1950’s」のBOXから何か1枚と言うことで選んだに過ぎないわけで、困ったもんですね・・
演奏は評判どおり素晴らしいと思います。
フルトヴェングラーのよさの分からない私でもこの演奏は、これまでの氏の演奏とは印象が違いますね。「設計図の再現」ではなく、音楽に今生まれたかのようなフレッシュさがあります。
【シューマン/交響曲第4番ニ短調 op.120】
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1953年5月14日、ベルリン、イエス・キリスト教会
リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85
リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor
PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz
AVI作成ソフト:AVIMAKER
FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder
音声はMP3
【曲目】
1.第1楽章: Ziemlich langsam-Lebhaft
2.第2楽章: Romanze.Ziemlich langsam
3.第3楽章: Scherzo.Lebhaft
4.第4楽章: Langsam-Lebhaft

そうなんですよね。フルトヴェングラーの音楽には何かフレッシュさが足らないような気がしていました。ライブ的というか、主体的というか・・
私が深く感動するのは、指揮者、オケ、そして奏者一人ひとりの作品への思いが演奏を通してこちらに突き抜けてくる瞬間なんですが、フルトヴェングラーの場合、それらの思いが作品を突き抜けてこないで、作品の影に隠れよう、隠れようとしているんです。それはあたかも、そうすることで逆に自分の本当の思いが私たちに知れないようにしているようです。勿論これは私の聴感上の印象です。
ですから、これまで私が、フルトヴェングラーについて話してきた評価になってしまうんですね。
“君はいつも音楽の傘に隠れて、一体本当のところ何を思っているの?それじゃ、僕にはわからないよ”
傘が立派になればなるほど、見えない顔。
でも、このシューマンでのフルトヴェングラーにはそんないつもの悪い癖から、何かしら自由になったような印象を受けます。ぶっちゃけた、そんな感じですかね。
色々調べてみると、実際こういうエピソードがあったそうです。
「プロデューサーが何度も演奏を中断し、リテイクを要求するので、フルトヴェングラーはついに腹を立て、最後まで止めずに演奏するからそれを録音するようにと言い出したからだ。それまでのテイクはすべて破棄し、通し演奏を一切の編集なしで発表するよう求めたのである。」 ( ジョン・アードイン著 「フルトヴェングラー・グレート・レコーディグス」藤井留美訳、音楽之友社)
でも、こいう演奏をしてしまうと、フルトヴェングラーでなくても・・ と思ってしまうのも事実です。
交響曲第4番ニ短調作品120は、若き妻クララの22歳の誕生日プレゼントとして、1841年彼女に贈られた曲です。二人が結婚したのは1840年ですから、まだ新婚ほやほやで、ルンルン気分で新婚生活を送っていたはずです。
そんな幸せの真っ只中この曲は書かれているわけで、この曲は本当に若々しく、この幸せを誰かに言わずにはおれない、この若者のむせ返るほどの青春の匂いが表現されなければなりませんし、そう書かれています。
そんな視点でこの演奏を聴きますと、そんなシューマンの人間くささを表現すると言うよりは、純音楽的です。一交響曲として如何に楽曲を構成し、最大限の効果を生むか、そういう演奏です。これは良いか悪いかではなく、その人の音楽への接し方の違いでしょうし、作曲家への人間としての共感があるか、ないのか、或いはどう共感したのか、にも関わることかもしれません。
最近、ブログに写真を貼り付けてごまかすことが多いですが(笑)、今回フルトヴェングラーの写真をネットで色々見てみましたが、私が見た範囲では、笑顔の写真がありませんでした。どこかで見たことはありますが、今回見てみて、ほとんどしかめっ面か、無表情。
氏の性格もあるでしょうが、氏が生きてきた時代、境遇もあるでしょうしね・・
でも、そういったことが演奏にも表れているような気もします。
私的には、この演奏がシューマン交響曲第4番のベスト、とは思いませんが、交響曲演奏として非の打ち所のない、大変な名演であることは間違いないですね。
でも、フルトヴェングラー・ファンの人たちもこういう演奏期待しているんですね・・ 
ちょっと意外でした。
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