ヒラリー・ハーンのチャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲

今日は、ヒラリー・ハーンのヴァイオリンでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をお聴きいただきます。

先日、4月23日の五嶋みどりの時にお約束しましたからね。約束は守らないといけません。

実はもう少し早く更新できたはずなんですが、今までリッピングに使っていたソフトが今回お聴きするディスクをリッピングしてくれず、別バージョンに変更したり、リッピング中にPC電源が落ちたり、24bitでリッピングしたら動画に音声がのらなかったり、と色々アクシデントがありまして、今日になってしまいました。
CDをリッピングするだけなら簡単では?とお思いの方もおありかと思いますが、私の場合、メモリやCPUに負担をかける方法で行っていますので、PCと相談しながら行っている状況です。
巷では、PCオーディオやるならフリーOS「Ubuntu Studio」に代表されるように、メディアプレーヤーにしてもCPUやメモリに負担をかけない軽いもの方が高音質とされており、基本はそのとおりだと思います。しかし、例えばWindowsの場合OSやレジストリを調整していきますとオーディオの世界では聴くことのできないディテールを聴くことができますが、段々と音が痩せてきます。

詳細は省きますが、CPUがその能力を発揮するためにはある程度汗をかいてもらう必要があるみたいです。よくわかりませんが、私の印象ですと回路内の電力供給に関わってくるようです。また、デジタル回路はアナログ回路と違って、優先順位で動いているようですので、プロセス優先度も常識にとらわれず、聴感で決める必要があります。メモリも使わなければ良いというものでもないと思っています。PCにしっかり汗をかいてもらう。つまり、回路内の電力をたくさん消費してもらう。贅沢させるんですね。デジタルといっても、高周波のアナログ回路という話ですので、この辺はアナログアンプと同じ発想です。(ホントかいな笑)
ですから、一般的にはウィルス対策ソフトなんてPCオーディオには悪の代表のように扱われていますけど、色んなソフトを試しましたが、それぞれ音が変わるんですよね。比べていくと、無い場合が一番良い、とも限らないんです。
・・・ つまらぬ話が長すぎました ・・・

お聴きください。

ヒラリー・ハーン(Vn)
ヴァシリー・ペトレンコ指揮、ロイヤル・リバプールフィルハーモニー管弦楽団
2008年11月、リバプール、フィルハーモニックホールにてDG録音
リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85
リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor
PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz
AVI作成ソフト:AVIMAKER
FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder
ファイルサイズは52.3MB。
音声はMP3です。
第1楽章 Allegro moderato
第2楽章 Canzonetta.Andante 19:23~
第3楽章 Finale.Allegro vivacissimo 25:45~
ピョートル・チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35 -DG/EU盤-

いかがでしたか?
五嶋みどりとの比較という意味もあり、私もこの機会に購入しましてこうして聴きましたが、この際彼女の技術的な高さや潜在能力は置いといて、このCDの演奏で言いますと、正直、こんなものかと思いました。
音楽が小さいんですね・・ 
彼女の何がすごいかと言いますと、ヴァイオリンを鳴らす技術が凄い、ということです。映像で見ますと、少しのボーイングで音がビンビン伝わってきます。音でもそれがわかります。まあ、楽器奏者にとっては楽器をしっかり鳴らすこと、大きな音を出すことは基本でしょうしとても重要だと思いますが、楽器を効率よく、といいますか、巧く鳴らすことを彼女は相当トレーニングしてきたのではないかと想像します。だからこそ速いパッセージを楽に弾くことができるし、一音一音はっきり聞き取れる。
ただ、それが音楽の表現を小さくしてしまっているのではないかと危惧しています。
弓のふり幅が小さくなってしまって、音に感情が乗り切らない。第2楽章はまさにそんな感じで、私的には、楽器の巧さが音楽表現を邪魔しているとさえ思ってしまいました。
私は彼女の演奏を「驚異のフラット特性」と呼んでいますが、Finaleに向かって高速に熱を帯びてくる過程でも、まさに技術的にも表現的にもフラットで、音楽に温度感を感じませんし、よくも悪くも音楽が波打たない。
私としては彼女はまだまだ課題山積と聞きましたが、以上のようなことが彼女の音楽の個性として、成熟していくことを願ってやみません。素晴らしいヴァイオリニストですからね。
こういった感想の原因は、伴奏のペトレンコに、実は大いにあります。
彼はまだ未熟です。
音楽が硬い。この曲をどうしたいのかまとまっていない。まとまっていないから、オケに的確な指示ができていない、だから、オケ自体がバタバタして自らの演奏に必死、解釈的にもオケが強奏するサビになるようなテーマの時は元気だけど、その他のひっそりと伴奏する箇所は何をやったらよいかどこまでわかっているのやら。だから、結局ヒラリーをサポートできていない。それ以前に、オケを響かせる術を彼は知らないです。というか、協奏曲におけるオケ伴奏と言うものをこの人は勉強してきているのか、疑わしいですね。
この指揮者はNAXOSにショスタコーヴィッチの交響曲全集を出しているそうですが、そのことからしてもこの人のレベルが知れます。
交響曲全集というのは、誰でも出せるものではありません。もちろん興行的なこともあるでしょうが、ある一定のキャリアを積んでから出すのが当たり前で、といいますか、音楽的責任を考えれば出せませんよ。交響曲全集を出すということは、その指揮者にとってその作曲家の交響曲に対する一つの結論です。
それをこの1976年生まれの若造は、平気で出してしまっているわけです。
恐らく、ギャラは安いけど全集出してやるよ、とNAXOSに言われたんでしょうね。
まあ、どんな経緯か知りませんが、音楽を指揮するということに多少でも謙虚な気持ちがあれば、断るでしょう。
ミスキャストです。
ヒラリーは今のうちにもっと巨匠といえる指揮者と仕事をすべきです。
これは周りの大人の責任ですよ。
批判的なことばかりで済みませんでした。
余談ですが、ブログランキングなるものへの参加をやめました。
参加しているサイトが音楽的にはたいしたものがないことと、ブログへのアクセスがあまり増えなかったためです。
音楽とは関係ない記事が第1位になったりしてますからね。アホくさくて・・
私は、ニコニコ動画への投稿が基本ですが(結構コアなクラシックファンもいて、以外にアクセスが多いんですよ)、せっかくこのブログにも来ていただいている方がいらっしゃいますので、これからもみなさんのために細々と綴っていきますので、どうぞお付き合いください。
「クラシック音楽ぶった斬り」というサイトがありますが、ぶった斬りといいながら、四文字熟語、美辞麗句を並べて褒めることばかりやっていますが(それも能力ですけど・・、この方の耳は確かなようですが、レコ芸のCD評のほうがよほどぶった斬っています)、私は批判もどんどんやっていきますので。笑
 

 

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2 Comments

  1. 狸爺 says:

    : 0
    :
    本日のお昼休みに、ミス・ヒラリーとみどりさんを聞きました。豊潤なひと時で、ありがとうございます。クラシックは、gutsyさんのように論評できませんが、好き嫌いで言うなら神尾真由子さんが好いです。私はジャズが好きで、今時のシンガーだとホリー.コールですかね。約30年前ドイツで仕事の時、帰国前の貴重な休みに、上司とドイツ人クライアントに交響楽団巡行に付合わされ、難儀しました。疲れましたよ、ホント、連チャンだもの。
    この時から、自身をクラシック愛好家と言う人には私的に、要注意です。(笑)

  2. gutsy says:

    : 0
    :
    クラシックもお聴きいただきありがとうございます。
    いやー、そのシチュエーションはきついですねえ~。ホント、今後気をつけたほうが良いですね。笑
    ホリー・コールお好きですか?私も彼女のCDは、何故か4枚くらいもってます。多分、ファーストアルバムが結構ステサンでリファレンスに使われたからでしょうね。今度、ホリー・コールアップしますね。
    神尾真由子さんもテレビは拝見しましたが、演奏はじっくり聴いていないですね。テレビの印象では、結構しっかりしたヴァイオリンだったような記憶がありますが・・CD何枚か出ているようですので、こちらも考えて見ましょうか・・。
    音源(動画)自体はニコニコ動画に投稿していますので、私の文が目障りな場合はそちらをご利用ください。ちょっとした登録が必要ですが、MASTER SOUNDという怪しげな名前で投稿しているのが私です。笑
    一覧になっているので、使いやすいと思いますよ。

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