ストラディヴァリウスは本当に良い音なのか・・グリュミオーのブラームス・ヴァイオリンソナタ全曲

今日はヴァイオリンを聴きます。
日頃私はオーディオを生活の一部としてそれなりの期間やってきておりまして、ですから、ちょっとした音の違いを聞き分けることには特段人より劣ることはないと思っておりましたし、クラシックも良く聴き、小学校から生の楽器に触れ、大学ではオーケストラにも所属しておりましたし、そんなことで、まあ偉そうに演奏の良し悪しを一刀両断してきたわけですが、実は私の耳はロバの耳であることが判明しました。(笑)

テレビ番組で芸能人格付けなんちゃらと言うのがありますよね。本物を見分けると言うあれです。それと似たようなのが少し前にありまして、そう、ヴァイオリンとチェロのストラディヴァリウスはどれかと言うあれです。ストラディヴァリウスのほかは、初心者用の3万円くらいのものと、中級者用という30万円くらいのものでした。

お察しの通り、見事に私は大ハズレ。ヴァイオリンもチェロも。(笑) しかも、両方とも初心者用を選んでしまいました!おめでとー!!
ヽ(゚・^*)^☆.。.:*・゚☆祝☆゚・*:.。.☆^(*^・゚)ノ
私の耳はロバの耳だったんです。ですので、今後は音に関しては一切、私のことを信用しないでくださいね。

何と言いますか、ヤバイッというか、笑うしかないのですが、それでもちょっと冷静に自分の思考を分析してみる必要はあります。注目すべきは両方とも初心者用を選んでいることで、ある意味中途半端な30万円は選んではいないことが私的には救いです。何故、初心者用を選んだか。勿論ストラディヴァリウスの音は知っています。と言うより、オーディオを通して聴いていますからその音が基準になりますが、その時家のテレビのスピーカーを通して聴いたヴァイオリンの中にはその基準に合うものはありませんでした。それでも中級者用は最初に外れまして、で、残り二つの音はもう全く違っていましたので、恐らく気に入らない音だけれど、多分こっちだろうなと薄々感づいてはいたんですが、如何せんその音そのものはどうしても素晴らしいとは思えませんで、それに引き換え初心者の方は多少音は薄いものの、伸びやかで明るく、抜けがよく、音程が明瞭で、大変好ましく思え、ストラディヴァリウスというより自分なら今はこの音を採る、見たいな感じでした。ストラディヴァリウスはその時聴いた限りでは、篭った音で抜けが悪く、音程も不安定に聴こえ、私が名器に感じる艶も感じませんでしたね。でついこの中だったら、音色が素晴らしいというより、スペック的に一番マイナスがないのはこれだよなあ・・・と言う感じで初心者用を選んだということです。

・・・・・・まあ…分析、と言うより言い訳でしたが(汗)、しかし、ストラディヴァリウスは本当に良い楽器なんでしょうかね・・ といいますか、良い楽器ってどのような楽器をいうのでしょう?

楽器の良し悪しを決めるのはそれを使う演奏家です。ですから、演奏家にとって良い楽器が、良い楽器といえるでしょうし、演奏家の数ほどに良い楽器があるとも言えます。楽器を使う人のレベルによってもその人にとっての良い楽器ってあるでしょう。いくら名器だからといって初心者にストラディヴァリウスはどうでしょうね・・ 想像できませんよね。音楽家でもブラインドで国産高級品とストラディヴァリウスは区別が付かないそうですし、その良さは弾いてみて初めて分かるとも言います。

一方、聴衆である私たちにとってのストラディヴァリウスはどうでしょう。私たちは楽器の音の良し悪しではなく、演奏の良し悪しを聴きます。実際、演奏家の奏でる音は、楽器そのものの音ではなく、演奏家のテクニックと表現力から生み出された唯一無二の音で、それを私たちは聴きたくて足しげく演奏会に通い、一心にレコードを聴くわけです。そういう意味では、演奏家が名器に心奪われるほどには、重要ではないのかもしれません。
例えば、千住真理子は、ストラディヴァリの名器「デュランティ」を使っていますが、だからといって彼女の演奏が歴史的名演ではないことは明白ですよね。それより、恐らく今日聴くグリュミオーが3万円の初心者用を弾いてくれた方が数百倍、名演でしょう。大体、楽器そのものの音なんて聴くこと出来ませんよね。奏者の心と身体を通過することによって始めて楽器は呼吸し始めるわけですからね。

そのグリュミオーの愛器は、ストラディヴァリ「ジェネラル・デュポン」やグァルネリ・デル・ジェスだそうです。今日聴くブラームスはこれは果たしてどっちかな……

 

十分ダウンロードしてからお聴きください。

 

グリュミオーブラームス・ヴァイオリンソナタ全曲“】?

【Personal】
アルテュール・グリュミオー(Vn), ジェルジ・シェベック(Pf)
【Take】
1.ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調作品78〈雨の歌〉,2.ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調作品100,3.ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調作品108 ■1976年(第1番)、1975年(第2,3番)アムステルダム、コンセルトヘボウにて、Philips録音
Track1…..
Track2…..
Track3…..

 

ああ….雨の歌、いいね・・

 

 

 

★PC音源はメインシステムで聴きましょう。

 

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2 Comments

  1. Anonymous says:

    あなたの耳は正しいと思います。
    原因は安い楽器の音がテレビでは出力出来て、よく聞こえただけでは?
    ストラディバリウスの方はテレビのアンプが上の音も下の音もカットしてしまい本来の豊かな音色が出力されなかっただけ。
    なので、テレビで視聴されるのであるなら、音がカットされたなあと感じる方が良い楽器であると推測されます。

  2. gutsy says:

    なるほど。そういうことなんですね。
    もしかしたら、実際スタジオで聴いた方が分かりやすいのかもしれませんね。

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