“ヴィンテージ”を使うということ。Vol.1~ もうウェスタンは卒業?!- R.ロンシュタットのWhat’s New

最近、所謂ヴィンテージ・オーディオというものへの関心がめっきりなくなってきました。
以前はありましたねぇ~。
QUAD、LeaK、RCA、DECCA、Jensen、MARANTZ、OLD McIntosh、SIEMENS/KLANGFIL、TANNOY、TELEFUNKEN、VITAVOX、そして勿論、Western Electric。ジャズならプリにはAmpexのオープンリールのアンプ部を・・・ なんて、エアー・オーディオしてました。笑

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だってね、その昔、ジャズはAmpexのオープンリールで録音していたなんて聴いたらね、当然そうなります。上に上げたようなヴィンテージと言えるであろうブランドのものは、勿論機会があれば、一度は使ってみたいですが、以前のようにメインとして、自分の求める音のためにヴィンテージを使う、と言う意識はなくなりつつあります。
勿論、タイトルのウェスタンはもう卒業、というのは、自分が求める音の実現のために必要な装置としての最終到達点という地位ではウェスタンはもうない、と言う意味です。使ってもいないのに、卒業もないもないです。笑 でも、オーディオマニアにとってそういう存在は、実は大きな問題で、実際使っているかいないかの問題ではなく、オーディオ人生を生きていくうえでの立ち居地の有り様、そのものだと思います。
まあ、そういう中でも、Marantz 7c、Vitavox CN191は使いたいですけどね。

A2463_I2ウェスタンに関しては、以前は、音楽再生には欠かせない大事な、他の装置、ましてや現代の装置では出せない肝となる要素を持っている、それがウェスタンであり、その点に関し現代の装置は全く疎かにしており、音楽の知らない人間が法外な値をつけたバブリーな電気製品、そう思っていました。

でも、いつの頃からか、そういうある種信仰のような感情はなくなりましたね。
恐らく、私がオーディオCDプレーヤーを止めて、PC用のドライブでPC通したCD再生を始めたこと(PCオーディオではありません。)と、DACにPrism Sound DA-1を使うようになってからです。つまり、再生系のグレードが大幅に上がったわけです。Prism Soundは、PCオーディオ知っている方ならご存知のブランドで、インターフェイスの Orpheus 有名ですよね。そのORPHEUSの倍の値段のする業務用のDACがDA-1です。現在は96KHz対応のDA-2になっていますが基本同じで、ライバルはdcsですね。恐らく音の忠実度からしたらdcsより上でしょう。だから良いわけです… よくオーディオはスピーカーが大事と言われますが、勿論大事ですが、そのシステムの能力を決めるのはやはり入り口で、そこのグレードをある程度到達点まで持っていければ、音の諸問題の6~7割は解決すると個人的には思っています。img_869171_60067972_0

だって、冷静に考えてください。ラインに入っていない低音をパワーアンプで増幅できませんし、ない高音は100、200万円のスーパーツイーターからでも出ません。出たらそれは偽者です。感動的な名演奏、素晴らしいストラディヴァリの音色も、それが収録されているメディアから限りなく正確に抽出しラインに流すことが出来るか、どうかにかかっています。アンプが名演奏を作るわけではありません。音を台無しにするかもしれませんが、カワイをストラディヴァリにはしてくれません。どんなにケーブルをメートル100万円のものに替えても、ラインに入っていない音は出ません。それを出してしまうから、バブリーな金持ちの出す音ほど酷い有様になるんです。笑
そして、そういった入り口の弱さをおいしく補ってくれるのが、ヴィンテージ機器たちだったということだと思います。現代のハイエンドと呼ばれる機器には、そういった包容力はありませんし、しかもヴィンテージとして現存しているのは当時業務用として一線で活躍していた名器ばかりですからね。使っていて誇らしい。笑

幸い私は、ここ数年、CD再生に関しては入り口がほぼ決まりましたので、恐らく、ヴィンテージ機器たちの包容力がなくても良い状態になったんだと思います。そうなると、逆にヴィンテージ、って言ったって所詮半世紀も昔の中古品。何を鳴らしても、大きな枠の中に収めてしまう素朴さに、だんだんと魅力を感じなくなってくるわけです。

そういう意味で、ヴィンテージは卒業。ただ、ウェスタンのパーツは非常に魅力的で、まあ、CD再生にウェスタンのトランスとか咬ましたりするの良くやりますよね。それだけで足りない何かが補われるので良いです。私も多用してます。

で、ヴィンテージはもういいかな、と思った音を聴きましょう。いつもの横須賀のあの方の動画です。いつも有難うございます。

リンダ・ロンシュタットの「What’s New」

これまでの比較のように、良い悪いと言うことではなく、リンダのこの曲はこういう感じじゃないな.. ってことです。

http://youtu.be/aqQ69k5-L8w

 

私のはこちら。

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Linda Ronstadt & The Nelson Riddle Orchestra
 
1.What’s New
LP Recorded at The Complex (L.A.) June 30,1982 – March 4th,1983
日本盤CD、恐らく初版もの
 

つまり、動画の方はちょっと立派すぎかな。
リンダはこの頃36歳。
ジャズ系スタンダードなんて歌うの初めてで、ぎこちなさの中に声も青臭さがあって、そこが彼女の3枚に亘る一連のスタンダード集の魅力でもあるわけですが、動画の方はそういうの吹き飛んじゃった。笑 分解能が悪いから彼女の肉声の不安定な揺れも聴き取れない。ネルソンのオケも重く暗い。

俺のと、違うなぁ~ 笑

まあ、動画のこの方もWestrexにアカペラ乗っけたのを聞かせるためにたまたま流しただけですからね。アバンギャルドで鳴らせば、違ったでしょうし。(でもそっちも、これだけ金かけてこの音?と言う感じもなくはないですが…)

ただ、少なくともこの辺聞くにはヴィンテージはいらないなと、思ったわけです。

 

そういうことです。

 

 

 

 

 

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