英国流ピアニズムに魅せられて・・・ カーゾンの”グリーグ ピアノ協奏曲イ短調”
イギリスのピアニストと聞かれて、皆さんは直ぐにお答えできますでしょうか。私はできません。そうですね… 有名なところではリリー・クラウス、ラドゥ・ルプー、アンドラーシュ・シフといったところでしょうか。バランス感覚に富み、繊細でとてもセンスのある演奏が特徴かと思います。
今日聴くクリフォード・カーゾンはそのイギリスのピアニストの中でも最右翼ではないでしょうか。ブリテンとのモーツァルトをお聴きの方も多いと思いますが、あのピアノの美しさといったら….. ドイツ人の弾くピアノとは違いますし、フランス人のそれとも違う。ましてや日本人的無味無臭の持つ究極の美しさ、とはまた違う、正に英国流のピアニシズム。気品から生まれるその響きは、奏者の指から鍵盤に伝わり、ハンマーが良質なフェルト越しに弦に触れた瞬間、瑞々しくも繊細に輝く一滴の雫となって、私たちの前に現れては消えていきます。
伴奏のオケは、そんなカーゾンのピアノとは裏腹に、実直で無骨、繊細とは程遠いのですが、カーゾンのピアノで、全てが肯定されます。とは言え、ブリテンとのモーツァルトの演奏もブリテンの伴奏が主張しすぎるくらいでしたし、このくらい骨格のしっかりした演奏でなければ、カーゾンの千変万化に移り行く音色とその深い表現を支えることは不可能なのかもしれません。
第2楽章は傷のためリッピングできませんでしたので、同じカーゾンのピアノで1951年録音のアナトール・フィストゥラーリ指揮、ロンドン交響楽団との演奏のものです。
【グリーグ “ピアノ協奏曲イ短調作品16“】 ? Ripped in 24bit-192KHz
【Personal】
サー・クリフォード・カーゾン(ピアノ)、エイヴィン・フェイエルスタード指揮、ロンドン交響楽団 ■録音:1959年6月
【Take】
Track1.第1楽章 Allegro molto moderato, Track2.第2楽章 Adagio, Track3.第3楽章 Allegro moderato molto e marcato
Track1.
素晴らしい演奏でしたね…
カーゾンのモーツァルト、また聴きたくなりました….
★PC音源はメインシステムで聴きましょう。
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