Archive for March 22nd, 2017

浅田真央の表現力…

フィギュアスケートの試合で、良く、表現力がある、ない、って言っていますが、私なんか、ね、笑、でも、本当にそんなもん、あるんでしょうか… 表現豊かに、音楽、プログラム、振り付けの魅力がジーンとこちらに伝わってくる演技って、競技会においても私たちは観る事はできますし、そういった選手には、表現力があるって、感じるものですが、でも、そういった選手、演技が必ずしも、PCSで高い得点を得るわけではない、いえ、ほとんど、その演技に見合った評価は、されない、なんてこと、競技会では当たり前になっているという事は、私たち誰もがみんな、知っていますね。 何なんでしょう… 何故、そういう事がまかり通っているんでしょうね… でもね、恐らく、答えは簡単で、そういう所謂表現力、っていうのは、フィギュアスケート競技、もっと言えば、ISU主催の大会では、評価対象になっていないんですね。ですから、もともと、スポーツ中心の人生を歩んできて、芸術、芸能、エンターテイメントでの、作品を表現し観客を魅了する、という事の価値観とは無縁な、ISUの審判の人たちですから、評価すべき対象ではない要素については勉強もしないですから、それがどういう事かも知りませんし、選手たちが演技の中で必死に表現している事には、気が付きもしませんし、っていうか、審判する項目にないので、意味がないし、何の事やらさっぱり分からない。 まあね、もともと、表現力、なんていう評価項目、ありませんから… でもね、私たちが、その演技、選手に表現力がある、と感じるにも明確な理由があるわけで、PCSの5項目、 スケート技術(Skating Skills) 要素のつなぎ(Transitions / Linking Footwork) 動作/身のこなし(Performance / Execution) 振り付け/構成(Choreography / Composition) 曲の解釈(Interpretation) これのうち、「動作、身のこなし」、と「曲の解釈」が如何に優れた演技か、を私たちは見て、結果、この選手は表現力がある、プログラムを上手く表現している、という風に感じるわけです。 そもそも、PCSって、テクニカルエレメンツ以外の演技要素を評価するものですから、当然、振り付けに関わる選手のパフォーマンスを観る事になりますから、演技を見て、選手が如何に「曲を解釈」しているか判断するには、振り付けを演じている時の選手の「動作、身のこなし」から、判断されるはずのものであって、ですから、スケートの能力の優劣とは無縁で、実際しっかり、「スケート技術」って項目がありますし、「要素のつなぎ」「振り付け/構成」なんて、振り付け師の話ですから、私たちが漠然と表現力がある選手、プログラムをしっかり表現できていると感じられる演技というのは、振り付けの「動作、身のこなし」が優れていて、当然そういう選手、演技は「曲の解釈」が出来ていると判断されるわけで、ですから、そこの2要素の得点が高いはずなんです。 こういう風に、ジャンプ、スピン、ステップ以外の演技、つまり、振り付けを、選手が如何に魅力的に演じているのかを判断する、これが、私の、フィギュアスケートを見る時の常識なんですが、 実際は、違いますね… 大体、表現する事がどういう事か分からない人がどうやって、その選手が曲を解釈しているかどうかを判断するのか… 振り付けを演じている時の、動作、身のこなしの、何を判断しているのか… 振り付けって、曲を表現するために選手が行う動作、身のこなしですから、「動作、身のこなし」の良し悪しを判断するには、作品を表現する、ということが、どういう事か分からないと出来ないはずなのに… そう、出来るはずもなく、ですから、このPCSの評価基準も、結局は、スケートの上手さからくる、技術的な滑らかさを判断基準にしていたと思います。 まあ結局、今まで言ってきた愚痴、の繰り返しになってしまいましたが、これが、ISUが自身の主催する大会の現場で行われている、選手への仕打ちであって、現実です。   でも、そんな大会での選手の演技は、どうでしょう。 多くの選手は、表現する事に苦心していますよね。 評価されないのに… 何故でしょうね… それは、フィギュアスケートが、そういうスポーツだからです。 前にも言いましたが、音楽に合わせた衣装を着て、音楽に合わせた振り付けで、音楽に合わせて演技をし、音楽の何かを表現する。 ジャンプだって、音楽に合わせてやる。だからジャンプだってフィギュアスケートでは表現するための手段の一つになる。 だから、ですね…   これがフィギュアスケートのもつ、真の、現実、です。   そして、その、フィ牛スケートの、真の現実の、ど真ん中を突っ走ってきたのが、浅田真央、ですね。 彼女は常に、振り付けを大事に、そして色々なジャンルの振り付けを、本当に完璧に演じてきた唯一の選手です。 ですから、何が彼女の一番のプロ、演技か、というのは本当は難しくて、ほら、これ全部、彼女、完璧にやったでしょ、っていう、笑、あれもこれも、こんなに完璧に… で、でも、そんな中で、私が、彼女は凄いわ…って、思ったのは、これです… 高貴で、意地悪で、コケティッシュで、可憐で、幼く、可愛らしい、いたずらっ子を、見事に、演じてますよね… もう、完璧… それは彼女が、この曲のこの振り付けを、指先からつま先まで、完璧に再現して、それを、生きた形で、私たちに見せてくれたからですよね… こんな演技、後にも先にも、彼女しか出来ないでしょう… で、次は、これ。 これも、彼女にしか出来ない、彼女の表現力を見せ付けられた演技。 音楽を表現するのに、如何に、腕の表現が大事か、腕の力の出し入れが必要か、思い知らされます… まあ、この演技、腕だけではないですが…笑 最後、少し駆けるところの彼女の姿勢、この曲には、もう、これしかないという…笑     […]

Wednesday, March 22nd, 2017