Archive for March 18th, 2012

これは、クライバーより・・ ミュンシュ&フランス国立放送《ベートーヴェン交響曲第4番》1964ライブ

今日は、前回のCDとカップリングされていたもので、同じベートーヴェンで交響曲第4番。 こちらは1964年で、今度はストックホルムでの演奏会から。 ベートーヴェンの4番と言うとどうしても地味といいますか、って別に地味でもなんでもないんですが、イメージとして積極的に好き、と言う方は少ないのではないでしょうか。例えば、動画をアップしているニコニコ動画でも、7番の方は再生回数は100ですが、4番はまだ50です。ニコニコでの再生回数の動向を見ていると、ニコニコには、クラシックを聞き込んでいる人はあまりいないようです。まあ、本来こういうサイトは珍しい動画を探して楽しむものなので、私がやっているような音楽主体のものは、ニコニコの趣旨とはちょっと違うんですけどね・・     で、そんな4番は、シューマンが「2人の北欧の神話の巨人の間にはさまれたギリシアの乙女」のような曲と例えたそうで(2人の巨人とは3番と5番)、ギリシャの乙女がどんなものか俄かに分かりませんが、特に女性的な曲という感じはないのですが、ただ、前後2曲とは違って室内楽的な要素も多少あったり、ピアノから曲が始まったり、前後2曲との比較以上にベートーヴェンの交響曲の中でも暗めに始まるのはこの曲くらいではないでしょうか。1番も9番も暗いと言う感じではないですしね。ですから、個人的にはベートーヴェンの交響曲の中でも異質な印象を持っていましたが、それはなかなかいい演奏に出会わないということも原因でしょう。まず、出だしの静かな部分でだらけてしまい、もう数分間で気持ちが萎えてしまいます。いっつもそうです。笑 だから難しい曲なんだな、と思っていましたが・・・     ところが、今日聴くミュンシュは違っていました。これは良いです。冒頭萎えることもなく笑、一気に聴くことが出来ました。 交響曲第4番の最初で最大の聴き所はもちろん、第1楽章冒頭3分くらいからのppピアニッシモからffフォルテシモへの盛り上がり。実はここの処理がどうなのかによって、ff以降のテンポをどう設定するかなど、この曲に対する指揮者の姿勢が分かりますし、その出来如何でその演奏の成否が分かれるといってもいいでしょう。 ここを聴いただけでこの演奏が成功したんだと確信しました。 フルトヴェングラーも真っ青の、この分厚い音を聴いてください。 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【ベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調 作品60】 シャルル・ミュンシュ(指揮) フランス国立放送管弦楽団 1964年8月25日、ストックホルム 【収録】 1.第1楽章 Adagio- Allegro vivace 2.第2楽章 Adagio 3.第3楽章 Allegro vivace 4.第4楽章 Allegro ma non troppo     何故、この演奏を素晴らしく感じ、これまでなかなか聴きづらかったこの曲を楽しく聴くことが出来たのか、考えました。恐らく、ミュンシュの特色である、作品を多少デフォルメして表現する手法が功を奏したのではないでしょうか。この4番は”ギリシアの乙女”なんて言われたりしますが、実は非常にリズミカルで強弱の激しいエネルギッシュな曲です。冷静に聴いてみれば、前後の3番、5番よりも激しい曲なのかもしれません。(ただ、何処となく他を寄せ付けない気品があるのも事実ですが。) ですから、この曲の場合、多少その辺りを大きく表現することで、この曲の特色がよりはっきりして、曲が持っている本来の魅力を鮮やかに感じることが出来たのかもしれません。 […]

Sunday, March 18th, 2012