Archive for March, 2012

名演だけど、そろそろ卒業か・・ミュンシュ&フランス国立放送《ベートーヴェン交響曲第7番》1963ライブ

今日から3回くらいシャルル・ミュンシュを聴きます。 まず初めは1963年のパリでのライブで、ベートーヴェンの交響曲第7番。 ミュンシュはレパートリーも広く、RCAのリヴィング・ステレオの音の良さもあって、比較的多く所有している指揮者で、その演奏も常に全力投球なところが好きです。 今日聴くベートーヴェンも非常に熱く、ライブということもあり終始テンションの高いミュンシュらしい好演ですが、どうしたことか、演奏の盛り上がりのわりには聴いた後の満足度が低いんですよね・・ 基本的には私の好きなタイプの演奏であることは変わりないのですが、どうしたんでしょう・・ ミュンシュが何故凄いか。何故、名指揮者といわれているか。 個人的にはそれは、ミュンシュがオーケストラを鳴らしきる指揮者であるからだと思っています。 もともと、フルトヴェングラーくらいまでの指揮者の評価の一つに、オーケストラを如何に大きく鳴らせるかということもありました。勿論、ただ大きく鳴らせばよいと言うことではなく、それでいて音楽として成立させるのは、なかなかできるものではなくて、各楽器のバランス、奏法、タイミング等全てが揃わないとオケは響きません。カラヤンだって、ベルリンフィルの指揮者になった当初は、往年のベルリンフィル・ファンからは音が小さいと不評だったそうですから。笑 その点、彼より17歳年上のミュンシュは違います。鳴らしきっています。経歴を見ると、1926年にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で、フルトヴェングラーやブルーノ・ワルターのもと、コンサートマスターをやっていますからね、なるほど、納得です。 ここに聴くベートーヴェンも、そういう意味で、ミュンシュの音楽ですし納得の名演です。 ・・・・そう 名演、なんですけどね・・ リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調 作品92】 シャルル・ミュンシュ(指揮) フランス国立放送管弦楽団 1963年12月20日、パリ 【収録】 1.第1楽章: Poco Sostenuto-vivace 2.第2楽章 : Allegretto 3.第3楽章: Presto-assai Meno Presto 4.第4楽章: Allegro Con Brio   多分、ミュンシュを好きでない方は百も承知といいますか、だから嫌いなの、とおっしゃるでしょうが、ミュンシュの演奏は常にテンションが高く熱い演奏が良いのですが、ただ本当に文字通り、”常に高いテンション”で、それが4楽章とも常に同じため、陰影の足らない、深みのない、平坦な音楽にしてしまっています。 これは楽章間のことだけではなく、聴いているとどうもフレーズの末端の伸びがもう一歩足らず、それが何かしら拙速な感じに繋がっています。オーケストラとしての呼吸が浅いというか・・ ベートーヴェンのこの7番には激しい中にも牧歌的なやさしいメロディーが散らばっていて、そこがベートーヴェンであり、この7番だと思っていますが、今日聴いたミュンシュではそういったこと全て一括りで処理されてしまっています。これではこの曲の魅力が半減してしまいますよね。速いテンポの中でも伸びやかな表現は出来ますが、そういった細やかさがここでの演奏には足りません。それがミュンシュだ、と言われればそうかもしれませんが、まあ、薄々分かってはいたものの、年をとってくるとその辺の許容ができなくなってきたんでしょうかね。笑 そういう意味で、そろそろこの手のベートーヴェン演奏を追っかけるのは卒業かな、と。 […]

Saturday, March 17th, 2012 

嫌いな指揮者・・ クナッパーツブッシュ”ワーグナー名演集”

今日はクナのワーグナー。 そう、クナッパーツブッシュ。 クナッパーツブッシュといったらワーグナーと言うくらいクナのワーグナーは人気があります。 以前にも書きましたが、私はこの指揮者が嫌いです。何故なら、この指揮者は楽譜に書かれているテンポ指示を無視し、自分の都合のいいように勝手に演奏してしまうからです。勿論、作品の解釈と言うことでテンポは変わってくるでしょう。しかし、この指揮者の場合、解釈の範疇を超えていると私には映ります。それは、作品を演奏するのではなく、作曲家が何ヶ月も心血注ぎ生み出した音楽の証である楽譜を利用して、自由気ままに、それはあたかも作曲しているかのようです。そこには、作品への愛が感じられません。テンポを崩すことによって、時には他の指揮者からは聴くことの出来ないような、新しくも新鮮な音楽が生まれることもあるでしょう。しかし、私は聴感上どんなに感心する演奏でも、この指揮者のアゴーギクの勝手気ままで、やりたい放題の音楽には心動かされるものはありません。もう一度いいますが、そこには作曲家、作品への愛が感じられませんし、もっといえば指揮をすることへの謙虚さ、畏敬の念が感じられません。 このように思うのは、私がほんの少し作曲をやるからでしょう。 このメロディーにはこのテンポと言うものがあって、それを極端に早めたり、遅くしたりしては作曲家が意図したメロディーではなくなってしまいます。そういったことが作品中いたるところでなされ、テンポが崩れ、それによりクレッシェンドがお化けのように大げさになり、フレーズが分断され、もはや例えばブラームスがブラームスでなくなってしまいます。そうなったら、演奏する意味がどこにあるのでしょう。でも、この指揮者はお構いなしで、楽譜を利用して自分の好きな音楽に変えて恍惚としています。 ナクソス・ミュージックライブラリーにベルリンフィルとやったブラームスの交響曲第3番があります。これを聴いてブラームスを感じましたか?面白いからいいんじゃない、と言う方もいらっしゃるでしょうが、私は、プロの指揮者がこういうやり口というのは認めません。 で、そんな指揮者が振っても違和感がないのが今日聴くワーグナーです。 まあ、不思議と崩せば崩すほど雰囲気が出てきて、名演とされます。 しかしながら、オーディオシステムが以前より良くなったせいか、これまで聴いて感じていた印象と大分変わりました。以前はなかなか豪快でワーグナーらしい雰囲気が良いと感じていましたが、今回聴いてみてある種の凄みみたいなものが、感じられませんでした。こんなものか・・・と・・ ただ、ウィーンフィルがこの頃のウィーンフィルらしい音で大変素晴らしいので、そういう意味でワーグナー演奏としては外せないものです。 リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder 音声はMP3 【クナッパーツブッシュ/ワーグナー名演集 】 キルステン・フラグスタート(ソプラノ(3)) ジョージ・ロンドン(バリトン(4)) ビルギット・ニルソン(ソプラノ(6)) ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1956年(3)、1957年(1.2)、1958年(4)、1959年(5.6) 【収録】 1.楽劇《神々の黄昏》~夜明けとジークフリートのラインへの旅 2.楽劇《神々の黄昏》~ジークフリートの葬送行進曲 3.楽劇《パルシファル》~幼な子のあなたが母の胸に 4.楽劇《ワルキューレ》~ヴォータンの告別と魔の炎の音楽 5.楽劇《トリスタンとイゾルデ》~第1幕への前奏曲 6.楽劇《トリスタンとイゾルデ》~優しくかすかな彼のほほえみ(イゾルデの愛の死) 以前、ザンデルリンク特集で、”《トリスタンとイゾルデ》~第1幕への前奏曲と愛の死”をアップしましたが、その記事はこちら。 別にこの演奏が最高にワーグナーらしい演奏とは思いませんが、指揮をするうえでの作品に対する解釈とはこういううことです。私にとっては最高のワーグナー演奏です。 経歴を見ると、若くしてバイロイト音楽祭での助手になっていますし、戦後主だった活動もバイロイト中心のようですので、何をやってもワーグナーになってしまうのも、納得。笑 まあ、私にとっては音楽的な才能が感じられない指揮者です。ですから、この指揮者を評価する人のセンスを私は疑います。   ★PC音源はメインシステムで聴きましょう。  

Friday, March 16th, 2012 

力強くあるのに・・ カラヤンの”歌劇《ウィリアム・テル》序曲”&スッペ序曲集

一年経って、 力強く生きようとしているのに、無能の人たちによる足かせが邪魔をしています。 それを見るにつけ、イライラし、心臓に良くないのですが、そんな中で今日聴きたい曲。 カラヤンのロッシーニ&スッペ序曲集から、 ロッシーニ ”歌劇《ウィリアム・テル》序曲” 8’42” 混沌を切り裂いて鳴り響く、突撃の合図。 静かに直向きに刻まれる弦楽。 しっかり前を向いて、 全てを振り払い、無我夢中で何処までも突き抜けて行ける・・ そんな勇気が涌いてきます。   素晴らしい曲。 素晴らしい演奏。 素晴らしいトランペット奏者たち。 この頃のベルリンフィルの金管群は完璧です。   リッピングドライブ: PHILIPS CDD3610/85 リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz AVI作成ソフト:AVIMAKER FLVへのエンコーダソフト: MediaCoder 音声はMP3     【カラヤンの”歌劇《ウィリアム・テル》序曲”&スッペ序曲集】 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1971年(ロッシーニ)、1969年(スッペ)、ベルリン、イエス・キリスト教会 【収録】 1.歌劇≪ウィリアム・テル≫ 序曲 2.喜歌劇≪ウィーンの朝、昼、晩≫ 序曲 3.喜歌劇≪軽騎兵≫ 序曲 4.≪詩人と農夫≫ 序曲   […]

Sunday, March 11th, 2012