ステサンSACD聖子”ユートピア” CD層 vs 初期盤CD 

STEREO SOUND の聖子のSACD、他人が動画にした音ではあれなんで、自分でも確認しようと、買いました。

別に欲しくもないし、確認のためだけで、オーディオマニアの意地かな。笑

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聖子の7枚目のオリジナルアルバムの「ユートピア」

税込3780円。

もったいない…

本当は、「Pineapple」にしたかったんですが、売れ切れで、中古も8,000円、10,000円で、こんなものにそんな金出せませんからね。

 
で、今回はその中から、2曲目の「マイアミ午前5時」で比較。

比較と言ったって、この曲知らなきゃ、比較のしようがありませんから、まずは聖子が実際この曲を歌っているのを観てください。
85年、聖子独身最後のコンサートから「マイアミ午前5時」を歌った部分です。


 
このコンサートの時はオリジナルよりも相当テンポが速いです。

実際はもっと遅いです。

で、実際歌っているのを観ていただいたのは、曲を知ってもらうためと言うのことではあるんですが、それはこの曲がどういう曲か、どういう雰囲気があって、何を表現したいのか、それを聖子はどう歌っているのか。
曲の盛り上がりってどんな雰囲気なのか、サビを聖子はどう歌っているのか。

そういうのを感じ取って欲しいからです。

それと、聖子の口の動き、を目でしっかり確認してい置いてほしい、ということ。

オーディオにおける音楽の再生って、こういうのを聴きたいって言う欲求ですからね。

で、そういった諸々が、音源の段階で、なくなってしまっていたんじゃ、話にならないって話です。

 
まず、プレーヤーのボリュームは基本最大にしてください。
ただし、このSACDは音量高めなので、下げて聴いてください。
 

STEREO SOUND のSACD、CD層

CD


 

まず、CD層のこの音の霞具合って、なんなんでしょう?
基本、音量以外は弄ってなく、ただCD層は何か弄っているらしいですが、それにしても、マスターってこんな音なんですかね???

単純に聴いて、明らかに、CDの方がサウンドが鮮やかで、楽器の定位も明瞭で音ににじみがなく、ですから、リズムもしっかり刻まれ、軽快で、オーディオ的に聴いても、CDの方がいいんじゃないの、って感じがしますが…笑

ただ、DSDをPCMにする段階で、こうなってしまうのか、マスターがこうなのか、全く分かりません。
DSDにすると音がこもっちゃうってことも、さすがにないでしょうから、DSDをPCMにする段階で、こうなるのか、マスターが実はこういう感じのサウンドなのか。

でも、私のCDも、初期ものですからね。
もしかしたら、83年発売のものではないかもしれませんが、次の発売は85年のようで、型番も初CD化されたその83年の時のものですから、恐らくマスターテープからデジタル化した音だとは思います。

それで、こんなに違う…

 
まあ、その辺の、検証はマスター聴いていない以上できませんから、この音で話すしかないわけです。

で、それぞれの音はと言うと、

<STEREO SOUND のSACDのCD層>
・CDに比べサウンド全体がくすんでいる。
・サウンド全体が硬直していなく、開放的で、聴いた感じがスムーズ。
・音像の輪郭が曖昧、にじんで聞こえる。
・楽器、声の音色が不明瞭
・リズムが重く、アクセントのインパクトが弱い。
・CDに比べ低音がでている。
・音像が空間と有機的に提示されている、とも言える…
・音楽、サウンドに凹凸がない。
・それは、音楽を安心して聴ける、とも言える。
・CDと比べると、聖子の口の動きが曖昧。
・全体的な音の提示の仕方は、マスター、アナログに近いかも。

<CD>
・全体に音が明瞭で、鮮度が高い。
・音像ににじみがなく、解像度が高く、付帯音がない。
・音の立ち上がりが良く、リズムも小気味で、軽快。
・SACDのCD層より、声、楽器の音色が多彩。
・音像が締まりすぎて、この頃の聖子の声としては若干声が細いか。
・若干子音が強く、シャリシャリ気味か。
・SACDのCD層に比べ、低音の量感が低い。バランスが悪いわけではない。
・口の動きが明瞭。
・声が高音に上昇していく時の声の圧力を感じられる。
・声が立体的。
・だから、聖子が今そこで歌っていると感じられる。

 

私が聴いて感じたことを、書き連ねてみました。

 

私から言わせれば、早い話、音楽、演奏の雰囲気がまるで出てないってことです。

 
で、その雰囲気が出てない例として、こちらも聴いてください。

同じアルバム「ユートピア」の9曲目、「秘密の花園」。

まずは、実際に聖子が歌っているのから。


松田聖子–秘密の花園 投稿者 jrapaka5
 
動画の情報が正しければ、1983年2月21日の夜のヒットスタジオの時のもので、このレコードの発売が2月3日なので、レコーディングにかなり近い時期の声、と言うことになります。

ですから、動画の音質の悪さはありますが、とりあえず、この声の感じが、ある意味リファレンスになるんでしょうか。

ただこの曲では、この曲の持つファンタジーな感じや曲の流れ、雰囲気がどうかを聴いて欲しいです。

スコアーも勿論、聖子もバックのオケもみんな、この曲の持つ何といえない幻想的なふわふわした感じを出そうと、頑張っていますよね。
恐らく聖子もレッスンの時は、ここはだんだんクレッシェンド、で、ここはフォルテでアクセント!、とか、ここは横に揺れる感じで、とか、甘える感じで誘うように、とか、練習しているはずで、スコアーにもテンポ、強弱は記号として書いてありますし、奏者も微妙なアゴーギク、デュナーミクでもって、みんなこの曲の夢見心地の感じを出そうと演奏しているんですよ。

だから、それを再生しなきゃ、駄目でしょ???

って、話です。笑

 
STEREO SOUND のSACD、CD層


 
CD

 

この曲、CDではやっぱり子音を強く感じるので、エンファシスかかってるんじゃないかって思うくらいなんですが、判定できるソフトで見ても、なし、になっていますし、この前買った、1996年発売の『Complete Bible』で聴いてみると、少し子音が抑えられる感じはあるものの、聖子のハスキーさは同じように残るので、多分、この頃はレコードのためのマスタリングでしたから、若干高域をあげていたのかもしれません。それと、当時の機材の性能でデジタル化の過程でどうしてもこうなったのかも知れません。ノイズとか…

聖子は、もうこの頃は、声も変わってしまい、所謂キャンディボイスと言われるのは、この「秘密の花園」からなんて言われているくらいですから、Youtubeの音は実際はもっとハスキーなんだとは思いますが、聴いていただいたように初期のCDは総じて細身でちょっとハスキーの傾向があります。

でも、音は鮮度が高く、克明で、聖子が歌っています。

SACDのCD層、つまりは、DSDリマスタリングCDと言うことですが、一瞬、声質なんか、本当はこんな感じなんだろうなあ、と言う部分もありますが、それはサウンドのことで、肝心要の音楽が鳴ってくれないんじゃ、話にならないって、言うのが私の感想です。

 

このSACD、SACD直に聴けばまた印象は変わるんでしょうが、横軸変わるだけですよね?

んー、音は鮮やかに鮮度は上がって、もっと緻密になるんだろうとは思いますが、多分、大事なところは変わらないだろうし、変わりようがないですよね、原理的に。笑

 

 

 

ちなみに、この「秘密の花園」の動画の、1985年2月21日の夜のヒットスタジオのカメラマンは、エロ親父です。

 

 

 

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