一関ベイシーのリファレンスレコードを聴く(STEREO SUOND誌特集より) ~ バディ・リッチ 編

「一関ベイシーのリファレンスレコードを聴く」と題しまして数回にわたってお送りしてまいりましたシリーズも今日が最終回となりました。

今日は前回予告しましたとおり、バディ・リッチをビックバンドでお聴きいただきます。

STEREO SOUND誌での菅原氏のコメントは、

「当時のバディ・リッチはロジャーズの『ダイナソニック』を使用していたため、ドラム・ソロのスーパーテクニックはもちろん、『音』が非常によろしい。」

です。

まあ、とにかくドラミングが早い、早い・・

これまで聴いてまいりました、トニー・ウィリアムスやエルヴィン・ジョーンズとはまた違いますよね。
ですから、再生に関しても難しくて、早く細かいシンバルワークの一音一音に如何にエネルギーを凝縮させるか、この辺はスネアも同じですが、早くても決して流れず、しっかり「刻み」を再現できるか。
これには、菅原氏がよく言う「重い高音」が必要になりますし、そのためには位相がしっかりあっていなければなりません。
それと、バックのブラス、サックスセクションの再生。

このバンドは結構一糸乱れず、といったアンサンブルですので、ヘタするとシンセの音のようになってしまいますので、注意が必要です。
つまり、ドラミングのスピードを追うばかりに、手綱を締めすぎてはいけないという事ですね。
そういった細部に気をつけながら、全体としてこのファンキーさを如何に出していくか。
こういうのは、マルチやっている人は大変でしょうね・・

 ・ ・ ・ ・ とまあ、こんな感じで、つい聴いてしまうわけです。

        悲しいオーディオマニアの性です ・ ・ 

リッピングドライブ:PHILIPS CDD3610/85
リッピングソフト:POIKOSOFT Easy CD-DA Extractor
PC : Windows XP Pro Core 2 Quad Q6600 2.40GHz
AVI作成ソフト:AVIMAKER
FLVへのエンコーダソフト:MediaCoder
音声はMP3です。

【Swingin’New Big Band 】
5,7 and 16 Recorded at RCA Victor Studios,Hollywood on October 10,1966.All others recorded live at the Ches Club in Hollywood on September or October,1966. Pacific
1 Basically Blues
2 Critic’s Choice
3 My Man’s Gone Now
4 Up Tight (Everything’s Alright)
5 Sister Sadie
6 More Soul
7 West Side Story Medley: Overture / Cool / Something’s Coming / Somewhere
8 What’d I Say
9 Hoe Down
10 Step Right Up
11 Apples
12 Chicago
13 In a Mellotone
14 Never Will I Marry
15 Lament For Lester
16 Naptown Blues

いかがでしたか?

私こういうの大好きです。笑
CDのクレジットを見ますと、5、7、16はスタジオ録音のようですので、一部演奏後の聴衆の拍手が不自然な箇所があるのはそのためでしょうかね。編集したんですね。

「一関ベイシーのリファレンスレコードを聴く」と題しまして数回にわたってお送りしてまいりましたシリーズ最後ということで、STEREO SUOND誌特集記事から、菅原氏のお言葉を抜粋してご紹介いたします。

この企画の実行にあたりまして、大変なご尽力をいただいたSTEREO SUOND誌の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。(感謝、感謝・・笑)
ありがとうございました。

        氏、いわく

         一、ジャズ・サウンドの要は、ベースとシンバルとハイハット
         一、草の根をわけても、ディテールにこだわる
         一、だからといって「木を見て森を見ず」というわけでは決してない
         一、スネア・ドラムのリムショット一発で「やられた!!」と笑えますか?
         一、絶望はしても断念してはダメ。ほんとに「いい音」は忍び寄ってくる
         一、「緻密にして豪放磊落(ごうほうらいらく)な音
         一、「神は細部に宿る」とはこのことをいう。そのディテールの積み重ねの上
           に、例えばカウント・ベイシー楽団のような巨大なスイング感が生まれ、そ
           してその現場に『事件』がするサウンドを出せるようなものに、ワタシはなり
           たい

次回から、マーラー特集に戻ります。

 

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2 Comments

  1. 狸爺 says:

    久々に早く帰宅出来ましたので、夕餉の支度前にgutsyさんをチェック。女房殿と一緒に、これを聴きながら食事です。メニューは、赤身の大ぶりなステーキに、付け合わせはポテトとキャロットにアスパラガス。ソースは、マヨネーズとブラウンソース、コーンが無いけど、さあ!って思ったら食卓にあるのは、ご飯に味噌汁、焼き秋刀魚にアスパラガス、ソースはプラスティック容器にあるマヨネーズ。一気にNYのチェルシー辺りのクラブから、引きずり出されて、現実の我が家へ。好い雰囲気で食事して、後片付けもしない私と女房殿、そこに風呂上がりの末娘が一言。「ヘェ?、リズム好いじゃん」「お前に、何がわかる」と親子でジャズ、否、ジャブの応酬。私も聴くって言うなりステレオの音量を上げ、アイスを口に頬張って私の隣にドスン。その騒ぎを聞きつけた次男、「これってギャング映画に出て来る音楽じゃ、ね?」とのたまう。
    とまぁ、此処に長男が揃うと全員集合なのだが・・と余韻に浸りつつ、約一時間。皆で楽しく?団欒の一時でした。
    gutsyさん、ありがとうございます。

  2. gutsy says:

    狸爺さん、コメントありがとうございます。
    いや~嬉しいです・・
    そんな風にご家族で聴いていただいて・・、そしてご報告までしていただき、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
    こんな気持ちは、店をやっていた時、お客様が、「それじゃ、マスターまたね!」といって笑顔でお帰りになるのを見送る時の、感謝と喜びの入り混じった何ともいえない、あの暖かな気持ち以来のことです。
    こちらこそ、ありがとうございます。
    オーディオマニア的には、エフェクト等はかけず、ただリッピングした音源で、更に圧縮した音源を聴いて、リラックスしているとは言え、ある程度スピーカーと対峙して聴いて、普通に音楽として楽しんでいただけたこと、とても心強く思います。
    次はクラシックと思っていたのですが、私も余韻に浸ろうかと思いまして、先日コメントの中で紹介させていただいた、Eden Atwoodの「There Again」をアップすることにしました。
    今日、これから、です。笑
    しばらくお待ちください。

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