Archive for November 20th, 2012

今更聞けない… デジタルアンプって何? CD復習編(1)

と言うことで、デジタルアンプって何かご存知ですかね.. もう何年も前に登場して家電レベルでは当たり前ですし、オーディオでも国内外問わず出てますよね。で、結構いいんじゃない、と言うことで導入されている方もいらっしゃいます。ハイエンド使ってらっしゃる方もね。 まあ、私はもともとそういうものに対してはまずは疑ってかかるほうなので、気にはしていませんで、そのため、それが、つまりアンプがデジタルって事がどういうことなのか知らずに来たわけですが、先日たまにお邪魔する「コウジロの不定期日記」と言うブログでデジタルアンプを使ったご自宅の音をOff会でご紹介されている動画が公開されておりましたのを聴かせていただいて、ちょっと考えるところありまして、デジタルアンプってなんぞやと、自分なりに確認しようと言うことになりました。笑 今更… ですけどね。 で、その動画がこれです。↓ ブログ主の方は私がまだメグの会にいた頃のお知り合いで、お店にも来ていただいたことがあります。大変耳の良い方で、その音もセンスがおありで、ごり押しをせず、でもきちっと隅々まで神経の行き届いた、そういう意味では文句を言わせない、ある意味自己主張の強い音と、私はブログを通じて聴いておりました。 システムはブログで確認いただきたいのですが、自作スピーカーをマルチで鳴らされており、確かサブウーハーをお使いだったと思います。ウーハーにTACT、多分SDA 2175 でしょうか。ミッドとハイにも別のデジタルアンプをお使いのようです。 音はどうです?悪くないでしょ? 聴いたのはベイシーの菅原さん監修のSACDで、改めてアナログ・マスター・ テープからDSDへトランスファーして作成されたようですので、既発売のレギュラー盤とは違いますし、それらより鮮明な音が入っているはずです。普通に鳴らしても音が良いはずなので、ここで聴いた音をそのままシステムの実力と思うのは間違いでしょう。 でも、そこら辺を考慮しても、なかなかのコルトレーンだったと思います。マスターが捉えたコルトレーンのテナーはこういう音なんじゃないかと思うくらいです。システムの調整も上手くいっているようですし。 でもね、何故なんだろう。 音楽の、演奏の勢いが感じないんですよね… コルトレーンを聴いたって言うね… 何か、こう納得するって言うか、そういうのがない。 全てに日が当たっちゃって、陰影を感じない、感じないから平面的。 あくまで私の感想ですが、 もっと言えば、この音を普段聴いていらっしゃるご自身は、コルトレーンの何を聴きたくてこういう音を出しているんだろうって、素朴に思うわけです。この音でコルトレーンを語り合えるのか.. 情報的には結構な内容が聴けるだけにね。今までだったら、レコードもCDでも、ここまでの音(情報)が聴けるのであれば、同時にコルトレーンもその姿を現してくれているはずなんだけど、ここで聴けるコルトレーンはディスクに入った音楽情報の域を出るものではなったように思います。この方のデジタルアンプお使いになる前の音のほうが良かったように思います。私にはね。 不思議ですね.. 何でだろう.. それで、デジタルアンプって何か、色々調べました。 調べだしたらまあ大変で、詰まるところ、電気って何?波形って何?ってことですわ(笑)で、最終的には解ったのかと言えば、さにあらず。曖昧な部分は多々ありますね。文系は困ったもんです。 まずはCD(コンパクト・ディスク)のおさらい。 音楽CDは、勿論、音楽を録音します。 音、音楽はそれが発せられて、空気振動となって、その振動をマイクが自分の振動盤の振動として取り込みます。取り込んだ振動は機械で見ると波形のデータとして確認できますね。この時点ではアナログデータ。現代ではそのアナログデータをデジタルに変換してからミキシングやらマスタリングを行い、何はともあれ、最終的にはご存知の16bit, 44.1KHzという形のデジタル・データに形を変え、CD記録されます。 で、このアナログデータがデジタルデータになるとはどういうことか。専門用語ではこれを「パルス符号変調」(PCM、pulse code modulation)と言うそうです。出ました、PCM。これは皆さんよくご存知の 0 1のことですね。CDには16bit, 44.1KHzという形のデジタル・データが記録されていると言いますが、それはどういうことか。 これは良く見るアナログの波形です。縦軸が音圧(音量?)、横軸が時間。上下の振幅は音の振動の大きさを表していますので、振幅の縦幅が大きいほど音圧が高い(音が大きい?)と言うことです。また、振幅の横幅が狭いと高い音、広いと低い音を表しています。 アナログ信号をデジタル信号に変換するとは、こういった時間の経過と共に音がどう変化するかを数値化することですから、音が出て何秒後の音圧はこれ、次はこれ、といった具合にある間隔で音圧を測定(サンプリング)していくわけです。そういったデータ1つ1つはグラフ上では点ですから、その点が多ければ、つまり、測定データが多ければそのグラフは曲線に近づいていく、元のアナログの曲線に近づいていきます。 また測定した音量も上記のように数値化するにしても、目盛りを決めなければいけませんよね。アンプのボリュームも連続可変式なら滑らかな音量変化が可能ですが、ステップ式だとステップが細かく設定してある方が音量変化は滑らかですよね。どんなに沢山の音をサンプリングしても音量を表す目盛りが少ないと音が急に大きくなったりして不自然になってしまうので、音量を表す目盛りも沢山あった方がよいわけです。 目盛りと言う言い方がおかしければ、段階とでも言うんでしょうか.. ご承知の通り、上の音圧のサンプリングは1秒間に何万回と言う速さで行われていまして、それを周波数や振幅数を示すヘルツHzで表します。1秒間に1回音圧のサンプリングを行った場合は、そのサンプリング周波数は1Hzということのようです。ですから、CDのサンプリング周波数は44.1KHz(44100Hz)と言われていますが、これは録音して取り込んだアナログデータの音圧を1秒間に44100回サンプリング(測定)したと言うことです。って知ってますよね、済みません。でもこの音圧の測定はその回数を増やせば増やすほど元のアナログデータに近づくわけで、それはもう無限で絶対に終わりがない。現在は一般的にはこのサンプリングの回数を1秒間に192000回行うのが最高ですかね。192KHzってやつ。じゃあ、なんでCDにはそれより少ない44100回で止めたのか。これもご存知かと思いますが、人が認識できる高い音は20KHzくらいで、サンプリング定理からすると、波形を正しく標本化するにはその周波数の2倍より高い周波数で標本化する必要があるそうです。なら40KHzでは?と言う話しですが、またなにやら技術的な事情から可聴帯域を22.05kHzと想定したのでその倍の44.1KHzとなったとか、ちょうど2倍だと元のアナログ波形にに戻らないからとか、のようです。ただ、この段階で192KHzにしていればオーディオ界も大分違ったように思いますね.. で、足らない頭で考えますと、音の周波数は1秒間に波が何サイクルするかですし、先程から出ているサンプリング周波数も1秒間に何回音圧を測定するかと言う話です。ですから、例えば1秒間に1000回サンプリングする、サンプリング周波数1000Hzの場合、100Hzの音は1サイクル当り10回データを採取できますが、500Hzとなると1サイクル当り採取できるデータは2個になってしまいます。 ということは、CDにはアナログデータを1秒間に44100回サンプリングしたデータ(44.1KHz)が入っていると言っても、音楽が変化する過程で、瞬間の測定対象の音の周波数(音の高さ)によって、実際のデータ量は変わっていると言うことです。高い音が1秒間に沢山の波形が詰まっていたとしても、その分サンプリング周波数を上げると言うことはしていないと言うことです。周期のゆったりした低い音は相対的にサンプリング回数は多くアナログデータを再現しやすいですが、波形の細かい高い音は結果として波形1サイクル当たりのサンプリング回数は少なくアナログデータを再現しにくいと言えますか… デジタルになると低音はいいけど、高音が硬く、汚いとよく言われるのはそういうことなんでしょうかね。今更そんなこと、って感じですが.. でもそうすると、話の上では、20KHz付近は1周期に約2回しかサンプリングしていないってことですね??まあ、先に出たサンプリング定理からすると音をサンプリングする時はその周波数の2倍より高いサンプリング周波数であれば良いと言うことですから、1サイクルに2点取れば波形が再現できるんでしょうか… ちなみに、波形の1サイクル当りのサンプリング回数、他の周波数は、16KHzの時は約2.8回、1KHzの時は44.1回、600Hzの時は73.5回と、単純計算ではこうなりますかね??何か誤解しているようでしたら教えてください。   というわけで、今日は、ここまでですね。   次は縦軸、音量、音圧です。    

Tuesday, November 20th, 2012